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本研究では、層間はく離や通常の舗装における層間の付着状態などを再現した試験舗装上で荷重車による繰返し載荷試験を実施し、層間の挙動や長期供用性の変化について調査するとともに、調査結果に基づき層間の付着状態を考慮した疲労解析モデルを構築し、層間はく離が舗装の耐久性に与える影響について分析するとともに具体的な予防策について検討することを目的とする。
最終年度である令和4年度は、令和3年度に引き続き49kN換算輪数で70万輪相当までの繰返し載荷試験を実施し、10万輪相当載荷毎に追跡調査を実施した。結果、舗装の損傷状況に明確な差は生じておらず、施工時の層間接着状態が舗装の耐久性に与える影響については明確とならなかった。また、ひずみ分布の変化を確認すると、層間はく離を模擬した区間について、施工直後では層間すべりが確認されたが、載荷の進行に伴い、層間が接着したような傾向がみられ、実際にコアを採取したところ、層間が付着していることが明らかになった。この結果は、舗装内部に水が浸入しない条件での実験であり、この条件下では初期の接着条件は舗装の耐久性に大きな影響を与えないものと考えられる。一方、現場で確認されている層間はく離は、舗装内部に水が浸入することに起因すると推察されるものが多く、散水条件下での繰り返し載荷試験などを行う必要がある。また、層間はく離模擬区間が載荷に伴い接着したことも踏まえ、層間はく離の再現方法については見直す必要があると考えられる。
本研究の最大の成果は、舗装内部にひずみ計を埋め込み、荷重載荷時の舗装内部の挙動を計測できることを明らかにしたことにある。本手法は、本研究の主眼である層間接着条件の検討のみならず、様々な舗装構造の検証に活用可能なものであり、その観点では一定の成果を上げたと考えられる。
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