研究課題/領域番号 |
20K04674
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
奥村 徹 九州産業大学, 建築都市工学部, 准教授 (40332027)
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研究分担者 |
野中 哲也 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20772122)
松村 政秀 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 教授 (60315976)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 振動台実験 / 動的崩壊挙動 / FE解析 / 大規模計算 |
研究実績の概要 |
研究計画に基づき,上路式鋼アーチ橋の端柱部分を想定し,相似則を考慮した崩壊モードの異なる2種類の骨組模型供試体(前年度に設計・製作は完了)の振動台実験を実施した.動的崩壊挙動の計測においては従来の加速度計や変位計,ひずみゲージ等のセンサ類に加え,新たに画像計測を導入した.これにより物理的にセンサの設置ができない任意点の挙動を計測することが可能となった.振動台実験の結果として,用意した2体の骨組模型供試体は当初のねらい通りの崩壊性状となり,かつ,動的崩壊挙動の計測も問題なく行うことができた.詳細な計測データを整理し,各部材の損傷の進行と骨組全体の崩壊挙動との関係について検証した.本実験により,骨組構造の崩壊挙動を対象とした数値解析の妥当性と精度検証を行うための貴重なデータを得た. つぎに,振動台実験に用いた骨組模型の詳細なFEモデルを構築し,実験データをもとにキャリブレーションを行った.不確定要素として初期不整と粘性減衰に着目し,振動台実験で得た計測データをもとにこれらを推定した結果,複数回の加振による崩壊挙動をほぼ全般的に再現することができた.検証したFEモデルを用いて複数の地震動に対する2つの骨組の崩壊性状について検討を進めている. また,振動台実験と並行して,スーパーコンピュータによる大規模計算の準備を進めており,名古屋大学の「不老」上での動作確認を行った.すでにパイロットケースとして実際の橋梁の解析を実施し,その解析結果について検証を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画どおりに予定した加振実験を実行した.用意した2体の模型供試体はねらい通りの崩壊挙動を示し,かつ計測も問題なく行うことができた.また実験と並行して数値解析の精度検証を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
加振実験で得た骨組構造模型の動的崩壊挙動の計測データをもとに数値解析の精度検証を実施する.模型レベルの検証を終えたのちに実際の橋梁を対象とした大規模計算を実施し,その崩壊挙動特性について検討する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の消耗品費用として確保していたが,当初用意した分で対応できたため.翌年は研究成果を論文としてまとめ,その投稿費用として使用する予定である.
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