研究課題
基盤研究(C)
三次元不連続面の動的挙動の複雑性および破壊の多様性について解析、室内破壊実験を通して考察し、不連続面破壊に関わる物理現象、特に、準静的破壊が動的状態へと遷移する現象の多様性の評価に努めた。脆性固体材料中にあらかじめ分布させた亀裂群の集団的振る舞いと個別の亀裂の力学的干渉の関係、そして脆性固体材料中の亀裂群の一見複雑無秩序な破壊挙動が、生成される波動を考えれば順序立って理解できることなどを明らかにしている。
破壊動力学
平成30年9月の北海道胆振東部地震では道内全域停電のほか、大規模な土砂崩れが多数発生するなど、地震の発生の複雑性と関連する破壊現象の多様性について力学的により深く考察する必要があることがあらためて示された。本研究で実施した理論・数値解析や室内実験を通し、多次元に広がる不連続面の動力学の複雑性ならびに破壊の多様性に関わる諸現象の学術的背景の一端が明らかとなったが、この研究成果は社会の防災・減災対策を考える上でも有用なものであると思われる。