研究課題/領域番号 |
20K04689
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
落合 努 神奈川大学, 工学部, 助手 (70867829)
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研究分担者 |
荏本 孝久 神奈川大学, 工学部, 教授 (90112995)
小田 義也 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (30336523)
三辻 和弥 山形大学, 工学部, 教授 (90292250)
先名 重樹 国立研究開発法人防災科学技術研究所, マルチハザードリスク評価研究部門, 主幹研究員 (90500447)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 常時微動 / ボーリングデータ / 三次元グリッドモデル |
研究実績の概要 |
本研究では、これまで比較的個別で検討や活用されることが多かった常時微動観測結果とボーリングデータを組合せた高精度な三次元グリッドモデル作成方法の構築を目的としている。研究対象は山形県沿岸部の庄内平野とした。 初年度には、まず計画通りに微動計を1台購入した。また、その微動計を使用し、庄内平野の最上川流域を中心に常時微動のプレ観測を実施した。計画時は数か所のプレ観測を予定していたが、日程の調整などが順調であったため、200地点以上で観測を実施ができた。結果分析はまだ不十分ではあるが、この常時微動観測結果から以下の知見が得られた。庄内平野は、沿岸の砂丘地域で相対的にやや地盤が良い。また、微動観測結果から得られる地盤ハザードと1894年庄内地震の住家被害を比較し、微動の結果が建物被害をよく反映していることが確認できた。一方で、2019年6月に発生した山形県沖の地震の地震動特性の分析も進め、地盤の非線形化と思われる現象が確認できる地点もあった。 一方で、微動観測データの分析やボーリングデータの収集作業は、計画通りの着手が出来なかった。微動観測作業を先行したことなどが理由であり、2021年度に実施する方針に変更した。 その他、関連する研究として、研究対象地域は異なるが、横浜市を対象としボーリングデータを用いた三次元グリッドモデルの作成や、千葉県房総半島を対象とした微動観測による地盤震動特性の検討なども並行して実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、コロナ過で研究活動が制限される状況ではあった。しかし、研究者間でメールやオンライン会議を活用し、研究活動が止まらないように留意した。 微動観測については、他のプロジェクトと合同で実施もできたため計画をある程度前倒しできた。今年度で200地点程度と計画時より多数の地点の観測データが取得できている。一方で、データの分析はまだ不十分であるため2021年度継続して進める。 また、ボーリングデータの収集については逆に簡単な状況確認のみで、計画通りデータの整理までは進んでいない。2021度から本格的に着手を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度末に、研究分担者でオンライン会議を行い2021年度の活動方針を定めた。当初の計画通り、落合と小田らのチームで追加の微動観測を8月頃に実施することを計画した。また、三辻らによって地元の行政などが収集しているボーリングデータの利用可能かの確認などを進めることとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた現地調査が一部未実施であり旅費に残額が生じた。理由は、別プロジェクトの観測と合わせて行えたことなどによる。残金は2021年度以降の旅費等で使用予定である。
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