本研究では、気液温度勾配の風浪場を設定することが可能な風洞水槽を用いて、気液温度勾配が風波の発達特性にどのような影響を及ぼすのか、また、その影響を及ぼす物理的原因を考察したところ、以下の結論を得た。 1)水温に比べて気温が低くなるほど、波高が大きくなる傾向となる。また、この傾向は風速が弱い条件ほど顕著に表れることを明らかにした。2)波高が大きくなる原因として、水面温度が低下し水面の動粘性係数が大きくなることにより、風から水面に輸送される運動量が大きくなることを推察した。3)風速が大きくなり水面変動が発達すると、運動量輸送に影響を与える要因が水面の動粘性係数から形状抵抗に変化することを示唆した。
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