研究課題/領域番号 |
20K04713
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
柳川 竜一 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 准教授 (70649095)
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研究分担者 |
三好 真千 徳島文理大学, 理工学部, 講師 (40399168)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 海底耕耘 / 現地実験 / 栄養塩 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス拡大に伴う活動制限のため,室内実験活動は停止状態である. R2年度に製作した鉄製耕耘桁を用いて耕耘実験を実施した.現地実験は夏季(8月,白方海岸地先)と冬季(12月,蜂ヶ浦地先南)で,どちらもさぬき市志度湾に属している.耕耘前後に表層および底層水を採取後,室内にて無機態栄養塩(アンモニア,硝酸態窒素,亜硝酸態窒素,全窒素,全リン)を分析した.水中の濁り等については,多項目水質計を用いて水温,電気伝導度,クロロフィルa濃度,濁度,DOを水深帯別で計測した.現地底質はコアサンプラーまたはエクマンバージ採泥器で取得した. 2回実施した調査場所や水深条件,実施時期,実施方法が異なったことより,調査結果も一部異なる傾向が確認された.8月調査時は耕耘後に表層栄養塩濃度の上昇が確認されたが,12月時は一部海域に留まった.この理由として,白方海岸は閉鎖性が高く且つ水深が浅かった事に加え,ゴムボートをアンカーで固定して手動で小型の桁を用いた事が挙げられる.12月の調査では,運用した2隻の漁船を耕耘桁曳航用と調査船に分け,耕耘桁曳航船に沿う形で水質を採取したため,耕耘による影響を受けた水塊を捉えきれなかった可能性が考えられる.濁りはどちらの調査でも発生しており,12月調査時はドローンを用いて耕耘桁曳航船の経路に沿って濁りが発生している様子を上空から確認することが出来た. 課題として,耕耘によりかき混ぜられた水塊を確実に捉えるための効率的なUAV利用方法の検討や,栄養塩の質変化・濃度上昇の定量的効果を室内実験により明らかにする必要がある. 情報公開に関する活動について,11月27日に白方海岸にて底質の環境改善を目的とした耕耘活動を地元住民らと実施した.本活動は香川県のローカルテレビ「ケーブルメディア四国」にて取り上げられ,研究対象海域の現状について多くの市民の関心が得られた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス拡大に伴う移動制限のため,現地情報の収集に関わる活動が不十分である.また,学校運営に関わる校務担当との兼ね合いから十分な検討時間を確保することが困難な状況である.
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今後の研究の推進方策 |
数値モデルの構築活動は継続して進めていく. 現地実験は確実なデータ取得手法の検討を行った上で複数回実施できるように体制を整える.検討要員を増やして,現地実験活動に加え室内実験についても段階的に開始する.
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次年度使用額が生じた理由 |
現地調査及び実験が予定回数よりも少なく残予算が生じている。 R03年度分の遅れを取り戻すため、R04年度は積極的に活動を行い使用額も当初想定した内容で執行する予定である。
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