研究課題/領域番号 |
20K04721
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
杉木 直 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30322019)
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研究分担者 |
鈴木 温 名城大学, 理工学部, 教授 (00356073)
北詰 恵一 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (50282033)
宮本 和明 東京都市大学, 都市生活学部, 教授 (90150284)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | マイクロシミュレーション / 都市モデル / ライフスタイル / MaaS / 自動運転 / 居住地選択 / 都市構造 |
研究実績の概要 |
2020年度は,データ収集・分析として,ライフスタイル変化に関する実証分析および新たなモビリティサービスによるライフスタイル変化に関するWebアンケート調査・分析に関する研究を行った. ライフスタイル変化に関する実証分析については,2002年,2017年の2時点の仙台都市圏PT調査データを用いて,交通行動,自動車保有,居住地選択等の変化を,世帯構成との関係性の下で実証的に分析し,ライフスタイル変化と居住地および交通手段選択の関係を把握した.具体的には,2時点でのライフスタイル変化として,戸建持家から賃貸アパート・マンションに居住する傾向に変化しつつあり,それらの変化は世帯人数および世帯年齢との関係性が強いこと,自家用車を保有している世帯は戸建を選ぶ傾向にあるが,その割合は世帯人数が少ないほど減少しており,自家用車を保有していない世帯が賃貸アパート・マンションに居住する傾向が強くなっていることなどが把握された. 新たなモビリティサービスによるライフスタイル変化に関する調査・分析については,仙台都市圏を対象として1,500票のWebアンケート調査を実施し,MaaS,自動運転,リモートワークの導入下での自動車保有や居住地選択に関する意向を把握した.調査・分析結果として,MaaSが普及している想定の条件下では,免許返納傾向が見られること,自動運転が普及している想定の条件下では自家用車保有意向が増加する傾向が見られるとともに,駐車場の持ち方には変化が見られず,居住地内に設ける割合が高いことなどが把握された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ライフスタイル変化に関する実証分析および新たなモビリティサービスによるライフスタイル変化に関するWebアンケート調査・分析を当初の予定どおり行った.Webアンケート調査において,対象地域において調査可能なモニター数の限界と,質問数の増加による費用増加により,当初予定していた3000票の半数まで調査対象数を減少せざるを得なかったが,調査結果としては有用なデータが取得された.これらの成果の一部については学会等で発表を行っている。よって、おおむね順調に研究が進んでいると判断する.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度はおおむね順調に進んでいることから,今後も計画通り進める予定である.2021年度は世帯構成員の制約を考慮したアクティビティベース交通モデルの構築,居住地選択モデルの改良等を行うが,研究作業量が多いため,研究補助員等の雇用等により計画的に行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
Webアンケート調査の規模縮小により,調査委託料に差額が生じた.また,新型コロナウイルス感染拡大により,対面形式での研究打合せが開催できなかったため,国内旅費を使用しなかった.これらの経費は次年度以降に,モデル分析を行う際の業務補助員雇用,および打合せおよび成果発表のための国内・外国旅費に利用する予定である.
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