研究実績の概要 |
東京をはじめとする大都市では,容積率規制の緩和に伴い,都市再開発,高層ビルの建設が行われている.また,国際競争力の強化や訪日外国人対応等を背景としたさらなる緩和もあり,この傾向は今後も続くことが予測されている.一方,高層ビルの建設と鉄道駅整備に要する時間に差があることから最寄り駅では過度な混雑が発生し,快適性だけでなく安全性においても問題が生じている.この都市密度の増加と交通施設容量の不均衡が,さらなる都市問題を引き起こす可能性が高い. 以上の問題意識を踏まえ,2020年度前半に,「東京都統計年鑑」, 「建築統計年報」,「鉄道輸送統計年報」, 各鉄道会社ウェブサイト等よりデータを収集し,データベースの作成を行った.「東京都統計年鑑」からは区単位の建物高さ区分別の床面積のデータを,「建築統計年報」からは高さ60mを超える高層ビルの竣工年, 住所, 適用制度, 設計者, 施工者, 階数, 敷地面積, 延べ床面積等のデータを収集し,データベースは,区別,町丁目別,建物別(高さ60m以上の高層ビル)に分けて作成した.また,各高層ビルの用途別の床面積をまとめたものは存在しないため,個別に調査した. 2020年度後半に,作成したデータベースを用い,都市再開発の時系列変化をグラフ化し,さらに,地理情報システム(GIS)ソフトを用いて視覚的に表現した.また,作成したグラフと地図を基に,それぞれの時期においてどのような開発がなされたのかを明らかにした. ここまでの成果を土木学会等で発表した.
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