容積率規制緩和に伴う都市再開発には,経済発展,国際競争力強化等の効果と鉄道混雑による快適性,安全性の低下等の副作用とがあり,問題箇所に対して単に規制をするという簡単なものではない.そのため,処方,効果と副作用の実態をデータから明らかにし,改善のための解を導き出したことには,学術的・社会的意義がある.開発される場所,適用する制度,供給される用途別床面積等により,どの程度の鉄道需要の増加が見込まれるかがわかれば戦略的な整備が可能となるため,本研究の成果は学術的のみならず実務的にも有用である.また,新興諸国の大都市における高層ビルの建設は日本以上であり,本研究の成果は先行事例的な価値も有している.
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