研究課題/領域番号 |
20K04736
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
姜 美蘭 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任講師 (40377990)
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研究分担者 |
佐藤 仁美 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (00509193)
山本 俊行 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (80273465)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自転車事故 / 多変量頻度モデル / 事故リスク要因 / 交差点幾何構造 / 交通量 |
研究実績の概要 |
本研究では、自転車事故リスク要因を統合的に分析するため、まず自転車事故データ、パーソントリップ調査からの自転車トリップデータ及び地理空間情報、名古屋市における自転車通行空間整備情報、交差点形状データなど、事故と関連する多岐にわたるデータを収集し、分析に用いるデータベースを整備した。このようなデータベースを用いて、以下の2点について研究を実施した。 1)マクロ事故頻度予測モデルによる分析 本研究では、各年齢層別・当事者種別ごとの事故リスク要因を全般的に把握し、自転車事故削減に最も有効な対策の提案を目的とする。そのため、年齢層間・当事者種別間の事故発生リスクの相関と地理的空間の異質性を考慮できる多変量ポアソンガンマ頻度モデルを構築した。ゾーンレベルにおける年齢層別の事故発生リスク要因を特定するため、構築したモデルを用いて推定した結果、子供、若者、一般年齢層と高齢者の事故発生リスク要因の相違を明らかにすることができた。 2)ミクロ事故頻度予測モデルによる分析 交差点レベルでの分析において、交差点形状と自転車通行空間が事故発生に対する影響を分析するため、最も事故多発するCBDエリアにおける交差点内の事故データを用いて、上記の多変量ポアソンガンマ頻度モデルにより推定を行った。その結果、交差点の信号の種類、右左折レーンの有無、中央分離帯などの幾何構造が事故発生への影響度を測ることができた。コロナ禍の中で、交通量の変動により事故件数の変動が現れた。今年度は、交通量が事故発生頻度へもたらす影響を定量的に測るため、対象交差点における交通量データを整備したうえ、2016年から2020年の事故データを用いて、コロナ禍での事故発生要因分析を実施した。その結果、単位交通量当たりに対する事故発生頻度の予測が可能となったうえ、交通量と関係なく事故発生に影響する交差点幾何構造の影響度も定量的に測ることができた。
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