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2022 年度 実施状況報告書

地域公共交通の広義社会的便益の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K04740
研究機関関西大学

研究代表者

宇都宮 浄人  関西大学, 経済学部, 教授 (70334589)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード地域公共交通 / 社会的便益 / 持続可能性 / 時間価値 / ソーシャルキャピタル
研究実績の概要

1 地域公共交通の広義社会的便益を踏まえた都市交通計画の指針として、欧州委員会が公表した「持続可能な都市モビリティ計画(SUMP)」を共監訳し、EU等で最新の動きを調査するとともに、ドイツで開かれたSUMPワークショップで発表した。さらに、SUMPについては、各地で講演を行い、令和4年度から始まった富山県地域交通戦略会議では、委員の一人としてSUMPを用いた戦略策定に携わった。
2 共著論文、Expectations and satisfaction towards railway companies by residents in JapanをThredbo 17 Conferenceで発表し、鉄道会社がもたらす幅広い便益として、地域住民が何を期待し、どの程度満足しているかという分析結果を示した。
3 社会的便益を計測するうえで重要となる時間価値のうち、子どもの時間価値について、昨年度実施したひたちなか海浜鉄道沿線住民アンケート調査を「子どもの時間価値をどのように考えるか」という論文にまとめ、土木計画学研究発表会で発表したほか、ひたちなか市との共著論文「学校統合を支えるひたちなか海浜鉄道」(『運輸と経済』)を発表した。加えて、全国レベルでの子供の時間価値に関するウェブ調査も行った。
4 鉄道における混雑緩和や速度向上といった要素を品質調整として加味した物価指数の試算を踏まえた論文「運賃・料金の物価指数を巡る論点」(『運輸と経済』)を発表し、鉄道投資の意義を物価指数の論点という観点から考察した。
5 広義社会的便益の一つであるソーシャルキャピタルについて、運輸総合研究所の研究報告会とコロキウムで、コメンテータ及びパネラーとして参加し、議論を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

宇都宮ライトレール沿線での調査について、コロナ禍等に伴い、ライトレールのプロジェクト自体が延期になったことから、開業前後の調査も後ろ倒しせざるを得なかった。
また、海外の学会(WCTR)もコロナ禍で2023年度に延期となったため、関連の作業も後ろ倒しとなった。

今後の研究の推進方策

第1に、宇都宮ライトレール沿線のアンケート調査を実施し、ライトレールの新設が沿線住民の生活や行動に与える影響を分析し、結果を取りまとめる。
第2に、子どもの時間価値に関するウェブ調査結果を取りまとめる。
第3に、子どもの時間価値で既に分析した内容を国際学会で発表し、コメントを求める。
第4に、持続可能な都市モビリティ計画(SUMP)で実現している海外の地域公共交通について、欧州の実情をヒアリングし、地域公共交通の広義社会的便益がまちづくりに与える影響、まちづくりのあり方を書籍としてとりまとめる。また、各地で講演を行ったり、地域の協議会等の委員として発言したりすることで、研究成果を実際の政策につなげる。

次年度使用額が生じた理由

当該年度では、コロナ禍の影響でアンケートが一部しか実施できず、また、予定していた海外の学会も延期となったため、これら調査のとりまとめも含め、当該年度の支出を予定していた額を次年度に繰り越すことになった。
次年度は、アンケート調査の実施と集計、国内外での学会等の参加に使用する予定。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 学校統合を支えるひたちなか海浜鉄道ー子どもの時間価値に関する調査を踏まえてー2023

    • 著者名/発表者名
      田口清幸・宇都宮浄人
    • 雑誌名

      運輸と経済

      巻: 83 ページ: 38-43

  • [雑誌論文] 運賃・料金の物価指数を巡る論点2022

    • 著者名/発表者名
      宇都宮浄人
    • 雑誌名

      運輸と経済

      巻: 82 ページ: 68-78

  • [学会発表] An analysis of the value of travel time savings for children2023

    • 著者名/発表者名
      宇都宮浄人
    • 学会等名
      The 16th World Conference on Transport Research
    • 国際学会
  • [学会発表] Expectations and satisfaction towards railway companies by residents in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      宇都宮浄人
    • 学会等名
      the 17th iteration of the International Conference Series on Competition and Ownership in Land Passenger Transport
    • 国際学会
  • [学会発表] 子どもの時間価値をどのように考えるか: ひたちなか海浜鉄道沿線住民調査を踏まえて2022

    • 著者名/発表者名
      宇都宮浄人
    • 学会等名
      第64回 土木計画学研究発表会
  • [学会発表] Urban Public Transportation: Japanese experience and future challenges2022

    • 著者名/発表者名
      宇都宮浄人
    • 学会等名
      SUMP Workshop, Cologne
    • 国際学会
  • [図書] 持続可能な都市モビリティ計画の策定と実施のためガイドライン 第2版2022

    • 著者名/発表者名
      宇都宮浄人・柴山多佳児監訳
    • 総ページ数
      168
    • 出版者
      薫風社
    • ISBN
      4902055422

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公開日: 2023-12-25  

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