研究課題/領域番号 |
20K04741
|
研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
柳原 崇男 近畿大学, 理工学部, 准教授 (10435901)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 免許返納 / 健康関連QOL / 地域特性 / 交通手段 / 外出頻度 |
研究実績の概要 |
1998年に自主返納制度が開始され,免許返納者は2019年まで増加傾向にあり,2020年にコロナ禍の影響もあり,約55万人(前年比約5万人減)が自主返納を行っている.一方,2020年の免許返納者の上位都道府県を見ると,東京都,神奈川県,大阪府,埼玉県,愛知県となり,都市部と地方部の格差が大きいことがわかる.これらは,運転免許返納後の代替交通手段の存在や地域特性が影響していると考えられる.そこで,本研究では,地域特性が免許返納者の交通行動およびQOLに影響を与えると考え,地方部と都市部において,免許返納者の交通行動がOQLに与える影響について考察することを目的としている. 調査対象は,大阪市生野区および滋賀県米原市である.アンケートは無作為に世帯を抽出し,ポスティングで配布を行った.米原市の調査期間は2020年11月15日~2020年12月6日までとした.回収方法は郵便回収とし、2666部配布を行い,有効回答数は400部であった.生野区の調査期間は,2021年11月8日~2021年12月20日までとし,4000部配布を行い,有効回答数は222部であった.回答は,65歳以上の方のみとした. その結果、都市部の生野区と地方部の米原市では,免許返納理由,健康関連QOL,運転停止後の外出頻度,買い物,通院頻度,買い物,通院への活動能力に違いが生じている.また、 地域別の運転停止者の外出頻度に影響を与える利用交通手段は,生野区では,自転車,米原市では,自転車とデマンドタクシーであり,都市部では自転車が利用できるか,地方部では,自転車に加え,公共交通の利用も外出頻度に影響していることがわった.さらに、運転停止後の健康関連QOLの維持に有効な手段と市は,自転車を活用することが有効であることがわかった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度もコロナ禍のため、地域の協力を得るのに、時間がかかった。しかし、2022年に入り、調査が可能となり、年度をまたいで調査・分析を進めている。そのため、最終年度である今年度には、その遅れはそれほど影響がないと思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、1年目に実施した調査のパネルデータおよび継続データを収集する予定である。 また、都市部でのGISの分析および地方部においても、交通システムが変更されていることによるGISの分析を実施する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、全体計画に少し遅れが生じたため、予算執行も遅れた。しかし、額も大きいわけではなく、使用に関しては特に問題はない。
|