交通行動と健康に関する既往研究では,公共交通を利用すると歩行量が多く,健康への貢献があるとしている.本研究では,免許返納後の住民のモビリティ確保において重要となる地域公共交通に着目し,公共交通利用が健康状態に与える影響についての基礎的データを得ることを目的とする.その結果、利用交通手段と歩行量の関係では,公共交通の利用が1日平均歩数に影響を与えており,自動車の利用に比べ優位に歩数が増加していた.現在の利用交通手段と健康状態の変化の関係では,地域公共交通の乗り合いタクシー利用が膝下伸展力の両足と,外転筋力の低下に影響を与えており,乗り合いタクシーを利用している人は,下肢筋力の低下が見られた.
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