研究課題/領域番号 |
20K04743
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
宮崎 耕輔 香川高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (60469591)
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研究分担者 |
松尾 幸二郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50634226)
吉城 秀治 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 准教授 (40734926)
葛西 誠 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20579792)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 子供の移動自由性 / CIM / 交通行動分析 |
研究実績の概要 |
今年度は,昨年度末に実施した全国を対象としたアンケート調査データの分析等に着手した.具体的には,基礎集計を行い,数理統計モデルを構築して,CIMに影響を及ぼす要因の分析を試みた. 基礎集計の結果,今の子供の親が子供だった頃よりも,今の子供の CIM が低下していることがわかった.そして,都道府県によって,CIMの傾向が異なっていることがわかった.しかしながら,都道府県,あるいは地域による特徴があるとはいえないようにみえた. つぎに,CIMの評価に影響を及ぼす要因を探るために,順序ロジットモデルや二項ロジットモデル等を構築して分析を試みた.その結果,CIMによって,CIMの評価に影響を及ぼす要因が異なっている傾向がみられた.また,子供のCIMの傾向は親の傾向と同様の傾向がみられた.そして,日ごろの外出行動の特性,すなわち,子供が外出する際に親が送迎する頻度,自転車の利用頻度,公共交通の利用頻度等が影響を及ぼしている傾向がみられた.また,自宅周辺の防犯面の安全性,交通面の安全性も影響を及ぼしている傾向がみられた.しかしながら,説明力の高い数理統計モデルの構築には至っておらず,CIMに影響を及ぼしている要因を明らかにすることができたとはいい難い. そのため,引き続き,モデルの改良等を行うとともに,CIMに影響を及ぼす要因を明らかにすること.そして,この結果をもとに,日本版のCIMの評価指標の開発が研究課題として残った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでのコロナ禍による研究の進捗状況の遅れが影響しており,本研究の根幹をなすアンケート調査データの取得が本年度前半となってしまった.そのため,分析作業を思うように実施することができなかった.結果として,補助事業期間の延長申請をするに至った.今年度使用する予定であった研究費については,一部繰越すこととした.
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今後の研究の推進方策 |
今年度,研究課題として残った数理統計モデルの改良を行い,CIMに影響を及ぼす要因について明らかにするとともに,日本独自のCIM評価指標の開発を行いたいと考えている.そのため,今年度に引き続き,CIMの概念整理のための知識を深めることも行っていきたいと考えている. 以上を進めることで,本研究の目的であるCIMに着目した子供の交通行動と交通安全との関係性を明らかにしていきたいと考えている.そして,本研究の成果を積極的に公表することを目指した取組みを実施する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでのコロナ禍による研究の進捗状況の遅れが影響しており,今年度,本研究の目的を達成することが難しくなった.そのため,補助事業期間の延長申請をするに至った.今年度使用する予定であった研究費についても,すべてを使用することが難しく,一部来年度に繰り越すこととした. 以上より,これまでに準備していた対面式での研究会の開催のための旅費などの予算額を次年度使用額とした.
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