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2021 年度 実施状況報告書

水処理汚泥の発生抑制に向けた超微細気泡に内包させたオゾンの活用と作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K04748
研究機関広島大学

研究代表者

橋本 くるみ  広島大学, 環境安全センター, 特任助教 (40821012)

研究分担者 西嶋 渉  広島大学, 環境安全センター, 教授 (20243602)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードウルトラファインバブル / マイクロバブル / 下水汚泥 / オゾン
研究実績の概要

下水処理によって発生する余剰汚泥の減容化において、オゾンを直径1 μm以下の超微細気泡(UFB)として供給すれば1/3のオゾン供給量で従来と同等の汚泥の殺菌が可能である。作用機序としてフロック内部にオゾンUFBが浸透し内部から殺菌しているのではないかと考えられるが、現在のところ明確な証拠が無い。この機構を解明するために、気泡を蛍光標識し、視覚的に浸透作用について評価することとした。
昨年度、UFBを模した中空のナノ粒子とマイクロ粒子を作成して汚泥と混合し、フロック内部にナノ粒子の浸透を確認した。本年度は、汚泥へのUFBの浸透に影響を及ぼす作用因子について調査を行った。昨年度粒子の作成に用いた方法は、粒子のサイズ制御が困難であったため、気泡サイズと浸透性の関係性の調査のため、均一なサイズ分布を持つ蛍光ポリスチレンナノ粒子を用いることとした。50 nm以下の粒子ではフロック表面から数μmのところまで粒子の浸透が確認され、50 nm以下の気泡はフロック内への浸透が可能であると考えられた。また、汚泥にUFBを供給する場合、汚泥内はUFB発生装置のポンプによって強い攪拌を受ける。そのため、UFB発生装置を用いてナノ粒子と汚泥を混合した時の粒子の浸透性についても調査した。UFB発生装置で攪拌されると、汚泥はせん断を受けて微細化する。フロック表面の高分子や細菌が緩く結合した部分には粒子が浸透するが、強い力を受けても崩壊しないフロック深部の高密度域にはナノ粒子は浸透できないことが明らかとなった。また、粒子の汚泥内部への浸透に影響を与えると考えられるゼータ電位について調査した。活性汚泥はpH中性付近では正電荷を有していた。一方、フロック内に浸透したポリスチレンナノ粒子は中性付近で負の電化を有していた。静電気的引力も粒子のフロック内部への浸透に影響を与えたものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、①オゾンUFBによる汚泥フロック内細菌の殺菌の作用機序の解明、②オゾンUFBの汚泥フロックへの浸透に影響を及ぼす作用因子の解明、③汚泥フロックと微細気泡化オゾンの反応モデルを用いた最適処理条件の検討の3つを検討項目としている。昨年度に①に取り組み、UFBを模した粒子の形成を行い、共焦点レーザー顕微鏡を用いて汚泥にUFBを添加した時の挙動について観察した。今年度は②の作用因子の解明として、UFBサイズの違いによる影響、汚泥および粒子のゼータ電位の影響、攪拌の影響について検討した。
バルク液の組成が浸透に及ぼす影響についても検討する予定であったが、これは現在検討中であり、当初計画よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

初年度で、今後の研究において必須となる蛍光標識ナノリポソームが作製でき、共焦点レーザー顕微鏡でフロック内に浸透したナノリポソームの観察が可能であることを確認できた。また、2年目はさらに実際に近い条件における汚泥内でのUFBの挙動や、気泡の特性による挙動の違い(サイズ、ゼータ電位)について評価を行った。3年目は、②でやり残しているバルク水特性の違い(オゾンスカベンジャー(有機物、無機物)濃度と特性)によるフロック内でのオゾンの挙動への影響について調査を行う。また、③汚泥フロックと微細気泡化オゾンの反応モデルを用いた最適処理条件の検討について取り組む。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 蛍光ナノ粒子を用いた活性汚泥へのウルトラファインバブルの浸透性の評価2022

    • 著者名/発表者名
      橋本くるみ, 西嶋渉, 中井智司, 友村圭祐
    • 学会等名
      第56回日本水環境学会年会

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公開日: 2022-12-28  

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