大河川でEEDが魚種数と正の相関があることを実証的に示すことが目的である。qMiFish法による環境DNAの河川流下中の濃度変化調査より、環境DNAの河川における減少速度係数として3.55[hr^-1]が得られた。この値は既知のDNAの分解速度より2桁以上大きく、河川で沈降・吸着・被食などの効果が卓越していることが示唆された。この値は既存の多くの環境DNA流下距離の報告と矛盾しない。この結果を用い、山口県外の大河川で環境DNAとEEDの関係を調査し、流域規模や土地利用が似通った地点間では環境DNAとEEDの間におおむね正の相関が見られ、EEDが山口県外の大河川でも適用できることが支持された。
|