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2023 年度 実施状況報告書

移動車両からの走行音・振動データを用いた冬季寒冷地の路面凍結状況の認識

研究課題

研究課題/領域番号 20K04760
研究機関仙台高等専門学校

研究代表者

本郷 哲  仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (80271881)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード路面状況判別 / 圧雪路面 / 深層学習 / 周波数解析 / 乾燥路面 / アイスバーン
研究実績の概要

本研究では、車両走行時の空中オンに着目し、その変化を認識することで冬季の路面状況を判別する手法を提案している。これらの技術が各車両に搭載され、各車両から地図情報サーバーに路面情報を蓄えられれば、生活道路なども含めた詳細な道路情報を提供できる。
これまでは、複数の路面状況の走行音をマイクで収集し、得られた音響データに対して深層学習を行ってモデルを作成し、提案手法の有効性を検討した。また、路面の状況判別に有効な周波数帯域を明らかにした。2023年度は、これまでcovid-19や温暖化のために実験ができていなかった、アイスバーン、悪路における実験、様々な車種における実験を行った。
2024年1月には新潟県中部(長岡市など)においてこれまで実験していた車両(ニッサンエルグランド)とは異なる車両(ホンダステップワゴンSPADA)により、主にシャーベット路面、湿潤路面における実験を行った。
また2024年3月には、モンゴル国ウランバートル周辺にて、(トヨタプリウス)を用いて、悪路、乾燥路面、湿潤路面、アイスバーンにおける実験を行った。これらの実験結果を用いて、速度について3パタン(30km以下、30-50km、50km以上)、路面状況について5パタン(悪路、アイスバーンを追加)、車種3パタンの条件とその組み合わせを変えて深層学習を行い、判別実験を行った。判別実験の結果からは、車種によってネットワークモデルを変更する必要性が窺われた。また、組み合わせについては、判別性能の差が出たものの、判別性能向上に寄与する要因は確認できなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

Covid-19による感染対策のため、当初予定していたアイスバーンのデータが中々取得できなかった。また2023年度には外国渡航が可能となったため、寒冷地における実験をすることができるようになったが、冬になってから漸く実験を行うことができた状況である。

今後の研究の推進方策

Covidの影響で実験が遅れ、 ようやく実験データを得られたのが冬であったことから、学習や判別のモデルの良し悪しまでは評価できておらず、今後評価する必要がある。
具体的には、昨年度の実験において、速度3パタン、路面5パタン(悪路、アイスバーンを追加)、車種3パタンの条件とその組み合わせを変えて深層学習を行い、判別実験を行っているが、条件数が多すぎるため、実用的に意義があり、かつ路面判別性能が上がる条件パタンを見出す必要がある。
また、新たに得られた学習データを用いた判別実験の結果からは、車種によってネットワークモデルを変更する必要性が窺われたものの、どのような学習を行えば良いか、学習データの組み合わせ方による判別性能の差は何が要因かなど明らかにしていく必要がある。
また、実験が遅れたため、付随して国際会議や論文執筆などの研究の総まとめ作業に遅れが生じており、論文執筆をした上で、国際会議等に参加する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2023年度5月に漸くCovid-19の対応が終わり、出張等ができるようになった。しかしながら、本研究の実験データは、冬季にしか得ることができず、実質的に2024年になってから新たな実験データを得ることになったため、データの処理(深層学習・判別)、実験結果の整理とまとめ、論文執筆などが次年度に回ることになった。2024年度は、実験結果のまとめ、論文執筆などを中心に実施する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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