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2020 年度 実施状況報告書

超音波パルスによる水底堆積物の物理・化学的特性観測の基礎・応用研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K04762
研究機関豊田工業高等専門学校

研究代表者

松本 嘉孝  豊田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 准教授 (40413786)

研究分担者 早坂 太一  豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (50314092)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード超音波 / 底泥 / 堆積物
研究実績の概要

陸水止水域である湖沼へは,土砂以外にも落葉などが分解した微細有機物が流入・堆積し底泥化している。底泥による貧酸素水塊や,重金属・ダイオキシン類の蓄積から,堆積物に関する調査・分析手法が確立している。一方,堆積層厚や粒子径といった物理的空間量や有機物含有量などの化学特性の観測手法は存在するが,堆積量・質の3次元的な全体像を把握するまでには至っていない。上記の課題に対し,2017から2019年の研究結果として,実験室における超音波での堆積物の層厚・粒径特性の把握が達成されたが,次の研究課題として,1.得られた結果の科学的な根拠の裏付け,2.基礎研究から応用研究への橋渡しが顕在化した。
そのため,基礎実験結果の科学的な裏付けを得て,応用・実践へと結びつけることが,手法の信頼性の向上に繋がるため,一つ目の課題(科学的な根拠の裏付け)とした。また,学会等での議論により,本手法の特殊性や高度な波長解析技術の必要性を確認した。そのため,現場での汎用性の確保には,専門性のハードルを低くする必要性があるため,二つ目の課題(基礎研究から応用研究への橋渡し)とした。
本研究課題を達成することで,効率的かつ簡便に淡水止水域(湖沼,堀川)の堆積物理量・化学性状を広域的に観測することが期待できる。そして,用いている広帯域超音波パルスは,従来の周波数帯に比べ特異的であることから,より高い解像度での底泥厚や波長特性が捉えられ,堆積物観測の新デバイスを開発する点では非常に創造的であるといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウィルスの感染症の拡大により,当初予定していた学生と実験を行うことが限られてしまった。実験について検証を行うための器材の購入を行うことはできたが,実験を進めることが困難な状況であったため,計画通りに進んではいない。

今後の研究の推進方策

今後,1年間研究を進めることができなかったため,当初の計画の初年度の研究を進めることとする。具体的には,研究目的1については,1-1パワースペクトル原因解析:サンドビーズでガラスビーズと同様の単・複層での超音波鉛直照射実験を行う。そして,粒径とP.S.強度との関係性を把握するとともに,その原因を検討する。 1-2複層超音波原因解析:層厚や粒径などの実験条件を拡張し同様な結果が得られることを確認すると共に,音響物理理論の観点からその周波数移動の理由を明らかにする。 1-3有機物含有量の把握:密度測定が可能な装置により,採取した現場堆積物のエコースペクトル強度解析を行うと共に,CNコーダーにて有機物含有量の測定を行い,両者の関係を解析する。
次に,研究目的2については,2-1 異なる周波数帯での波長特性把握:本実験装置を用いて,40kHz付近の低周波,150kHzおよび400kHz付近の中周波,1500kHzの高周波で実験し,それぞれの周波数帯における層厚特性,粒子径特性などの物理特性を把握し,本装置の適用範囲を明確にする。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの感染症拡大に伴い,当初の予定通りの研究遂行ができなかったため次年度使用額が生じた。
この次年度使用額については,今年度申請時の当初計画に沿って進めるため,執行する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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