• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

脂肪酸結晶と生物膜の複合凝集物を利用した廃油脂混合オンサイトメタン化システム改善

研究課題

研究課題/領域番号 20K04764
研究機関国立研究開発法人国立環境研究所

研究代表者

小林 拓朗  国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 主幹研究員 (10583172)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード廃油脂 / メタン発酵 / 高級脂肪酸
研究実績の概要

油脂を高濃度に含む有機性廃棄物及び排水の嫌気性処理において、浮遊培養系において阻害物質に対する温度、濃度の影響について明らかにするとともに、生物膜の発達有無による阻害に対する感度の違いを調査し、生物膜の発達系での阻害の緩和が確認され、より高負荷の条件で効率的に処理が可能であることがわかった。具体的には、油脂の加水分解で生じる高級脂肪酸による阻害の影響が大きく、酢酸資化性のメタン生成菌は水素資化性のメタン生成菌よりも阻害に関して敏感で、活性が50%低下するオレイン酸濃度は、中温の酢酸で0.42mM、中温の水素で1.57mM、高温の水素で1.66mMであった。高温では全く酢酸利用活性を示さなかった。また、阻害に対する感度は水素資化性菌の場合は菌体濃度にも依存し、5mM/g-VSを超過すると阻害が生じることがわかった。このことで、生物膜を使用し、菌体濃度を高めることが有効であることが予想され、脂質/VS濃度30%程度の原料を対象とする連続処理実験を検討したところ、生物膜有の系ではなしの系と比較して中間体であるVFAの濃度が3分の1以下の500 mg/L未満に維持でき、高い油脂負荷でも安定した運転が可能であることが確認された。また、短期的に発達する脂肪酸と微生物との複合凝集体の形成について、油脂を吸着する粉末炭化物有無の条件で比較したところ、粉末炭化物有りの条件では形成されないことがわかった。さらに、この凝集体未形成の場合の方が、反応速度が大きくなることが確認され、凝集体を形成するよりも分散を促進した方が処理の効率の点では有利であることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Oleate Impacts on Acetoclastic and Hydrogenotrophic Methanogenesis under Mesophilic and Thermophilic Conditions2023

    • 著者名/発表者名
      Li X, Yang Y, Lu C-S, Kobayashi T, Kong Z, Hu Y.
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      巻: 20 ページ: 3423

    • DOI

      10.3390/ijerph20043423

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Performance Comparison of CSTR and CSFBR in Anaerobic Co-Digestion of Food Waste with Grease Trap Waste2022

    • 著者名/発表者名
      Hu Y, Ma H, Wu J, Kobayashi T, Xu K-Q.
    • 雑誌名

      Energies

      巻: 15 ページ: 8929

    • DOI

      10.3390/en15238929

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi