研究課題/領域番号 |
20K04782
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
持田 泰秀 立命館大学, 理工学部, 教授 (60581171)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ICT / 杭周固定液・根固め液 / 電気比抵抗 / 圧縮強度 / セメントミルク / 無線化 |
研究実績の概要 |
プレボーリング埋込み杭工法における杭周固定液・根固め液は、施工中に多大なブリージング、孔壁からの土砂の混入、泥水の混入、地下水の侵入等の生じる恐れがある。本研究では、自作の測定ロッドを用いて地中の電気比抵抗を施工モニタリングし、施工直後の安全な孔壁形態や圧縮強度の確保を実現させる。特に、セメントミルクの早期の電気比抵抗値による材齢28日圧縮強度qu(28)の定量的な評価の推定により、電気比抵抗調査をICT技術を活用し、土の中の視える化施工を実現し、信頼性の高い施工品質確保や品質確認手法を社会に発信する事を目的とする。 2020年度の元々の予定は、室内試験にて代表的なW/Cのセメントミルクと土質(砂、粘性土等)の混入量を設定した供試体を作成し、市販の電気伝導率セルと、比抵抗測定装置内蔵した4極法電気比抵抗測定ロッドにて、3種類のICT手法を用いて、施工直後の電気比抵抗を測定する。これらの結果より、無線化による定量的な評価を明らかにする計画であった。 しかし、コロナ禍での学生等の感染予防のため、3密回避となる屋外試験を行った。 悪天候、衝撃、回転および接続を伴う杭工事では、有線での通信は適しておらず、取組むべき重要な技術的課題として、ICT手法である土中での無線通信化技術があげられる。屋外試験では、土中の電波の減衰しやすい媒質(セメントソイルなど)で空洞部分が満たされる条件から、今回は水を減衰媒体とした無線通信の可能性について検証した。実験の結果から、使用機器の周波数920MHzと351MHzの違いにおいて、水中最大通信距離が7倍となった。無線機出力が1Wから5Wに増加すると、通信可能深さが570㎝から680㎝に増大した。同軸ケーブルにて深さ20mまで伝搬減衰がないことを確認した。以上より、水を減衰媒体とした地中での無線通信は可能である事を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度はコロナ渦の下、研究活動における学生等の感染予防のため、3密回避が前提となった。 2020年度の元々の予定は室内試験であり、3密の回避には困難を有する。そのため、屋外試験に変更した。以下が研究内容である。
悪天候、衝撃、回転および接続を伴う杭工事では、有線での通信は適しておらず、取組むべき重要な技術的課題として、ICT手法である土中での無線通信化技術があげられる。屋外試験では、土中の電波の減衰しやすい媒質(セメントソイルなど)で空洞部分が満たされる条件から、今回は水を減衰媒体とした無線通信の可能性について検証した。実験の結果から、使用機器の周波数920MHzと351MHzの違いにおいて、水中最大通信距離が7倍となった。無線機出力が1Wから5Wに増加すると、通信可能深さが570㎝から680㎝に増大した。同軸ケーブルにて深さ20mまで伝搬減衰がないことを確認した。以上より、水を減衰媒体とした地中での無線通信は可能である事を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、当初の予定である室内試験にて代表的なW/Cのセメントミルクと土質(砂、粘性土等)の混入量を設定した供試体を作成し、市販の電気伝導率セルと、比抵抗測定装置内蔵した4極法電気比抵抗測定ロッドにて、3種類のICT手法を用いて、施工直後の電気比抵抗を測定する。これらの結果より、無線化による定量的な評価を明らかにする計画とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度の計画が、コロナ禍のために室内実験から屋外実験に変更したので、当初の2020年度の研究を2021年度に行う計画とした。2021年度の研究内容は、以下の内容である。 室内試験にて代表的なW/Cのセメントミルクと土質(砂、粘性土等)の混入量を設定した供試体を作成し、市販の電気伝導率セルと、比抵抗測定装置内蔵した4極法電気比抵抗測定ロッドにて、3種類のICT手法を用いて、施工直後の電気比抵抗を測定する。これらの結果より、無線化による定量的な評価を明らかにする計画とする。
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