研究課題/領域番号 |
20K04782
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
持田 泰秀 立命館大学, 理工学部, 教授 (60581171)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 施工模擬実験 / ソイルセメント / 電気比抵抗 / 電波減衰 / 無線伝送化 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、施工模擬実験を行った。地表にB×D×H=500×500×500の立方体の孔を2カ所掘削し、その孔壁に密着するように地中に防水用のブルーシートを配した簡易的な水槽を作成した。対面する側面に直径120㎜で深さ500㎜の塩ビ管を埋込み空洞を作成し、その塩ビ管内の空洞に、地表から250㎜の深さに伝送用の無線機を設置した。実験手順は、まず、簡易的な2つの水槽に水を注入した。地上に用意したバケツにて、珪砂7号にて所定比重とした泥水1、笠岡粘土にて所定比重1.6とした泥水2を作成した。水槽内の水を排水し、一つの水槽に泥水1を注入し、別の水槽に泥水2を注入した。次に、水槽内の泥水1に珪砂7号を少し高比重となる様に追加した。泥水2は、笠岡粘土は粘性が高く、攪拌が困難になったため追加はしなかった。24時間後に両方の水槽のソイルセメント硬化を確認した。前述の各実験手順で、井戸パック10を用いて電気比抵抗を継続的に測定するとともに、各実験段階で、ポータブル電気比抵抗計で温度、電気比抵抗およびphを測定した。その結果、ソイルセメントを減衰媒体とした無線通信の可能性については、通信が不安定な部分もあるものの、500mmの間隔以内では、電波通信が可能となった。アースオーガーの軸部に同軸ケーブルを沿わせ、オーガーの羽の先端に取り付けた測定電極と無線伝送化を想定していることから、実際の施工管理でも無線伝送距離が500㎜程度で妥当と考えられ、無線化の可能性を明らかにした。電波減衰の評価は、実験の値より大きな数値となり、減衰を多少大きめに予測する傾向があった。今後の研究の展開としては、自由空間と閉鎖空間の減衰を考慮しソイルセメントの透磁率などの物性を調べることで、より精度の高い理論値を導く取組みを行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染対策のために、実験や研究室での研究作業に制限が生じたため、進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、土中でのソイルセメントを伝送媒体とした場合のワイヤレス化の距離として500㎜程度が可能であることを明らかにした論文を作成する。これにより、オーガー軸部に同軸ケーブルを設置し、オーガーのきりに装着した電気比抵抗測定端子+バッテリーからの電波を受信し、地上の測定器で、その状況を瞬時に確認できることを明らかにする。 ポータブルの電気比抵抗測定器に比べて高い精度のミキシングテスターにより、早期材齢の電気比抵抗ρによる材齢28日の圧縮強度q(28)の定量的把握がより信頼性の高い範囲で可能であることを実験を通して明らかにする。 令和3年度も、令和2年度に続き、コロナ感染に対する行動規制が有った。そのため、令和3年度は研究の遅れている分を取り戻すことも出来ず、更なる研究の遅れが生じた。その結果、現在のところ、3か年計画の最終年度の令和4年度において、研究全体を終えるまでの研究活動は困難と考えられる。令和4年度でも、学生の感染例も身近にあり、そのコロナ感染対策を考慮しながら研究推進を踏まえると、計画通りの研究を遂行するためには、本研究の3年間の研究期間を、1年間延長して、計4年間に御願いさせて頂く必要があろうかと考える。当然ながら、計画通りの令和4年度末に研究全体を終了するための推進努力は行う計画ではある。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度も、令和2年度に続き、コロナ感染に対する行動規制が有った。そのため、令和3年度は研究の遅れている分を取り戻すことも出来ず、更なる研究の遅れが生じた。 その結果、現在のところ、3か年計画の最終年度の令和4年度において、研究全体を終えるまでの研究活動は困難と考えられる。令和4年度でも、学生の感染例も身近にあり、そのコロナ感染対策を考慮しながら研究推進を踏まえると、計画通りの研究を遂行するためには、本研究の3年間の研究期間を、1年間延長して、計4年間に御願いさせて頂く必要があろうかと考える。当然ながら、計画通りの令和4年度末に研究全体を終了するための推進努力は行う計画ではある。
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