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2021 年度 実施状況報告書

心棒効果の包括的解明と建築設計への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K04783
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

田川 浩之  武庫川女子大学, 建築学部, 教授 (60422531)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード弾塑性挙動 / ロッキング連層耐震壁 / 材料構成則 / von Mises則 / Drucker-Prager則 / 降伏曲面 / リターン・マッピング / 弾塑性整合接線行列
研究実績の概要

本研究の2年目である2021年度は、以下の3つの事項を実施した。
(1)基礎的な解析モデルによる心棒効果の検討:RC主架構をモデル化する串団子と、適合・非適合4節点四辺形もしくは8 節点2次四辺形の平面ひずみ要素でモデル化したロッキング連層耐震壁を組み合わせた有限要素解析モデルにおいて、ロッキング連層耐震壁の材料構成則としてリターン・マッピングのアルゴリズムに基づく等方硬化von Mises則やDrucker-Prager則を実装し、ロッキング連層耐震壁が大地震を受けて塑性化やひび割れ発生などにより弾塑性挙動や非線形挙動を起こす場合の動的な心棒効果について基礎的な検討を行った。
(2)現実的な解析モデルによる心棒効果の検討:耐震骨組と鉛直荷重支持骨組から構成される鉄骨ラーメン骨組建物を対象に、はり要素とシェル要素による異種混合モデルに対して、様々な地震動レベルの時刻歴応答解析を行い、鉛直荷重支持柱材の心棒効果について、詳細に検討した。
(3)形態創生、建築設計への応用:伝統構法による木組みで構成した主架構をモデル化した串団子と、RCコアをモデル化した柱脚部固定の心棒を組み合わせた解析モデルに対して動的時刻歴応答解析を行うことで、RCコア併用により伝統木造軸組を積層させる建築手法について基礎的な検討を行った。また、円弧状、渦巻状ミウラ折りによる大屋根建築の設計提案において、心柱を円弧状に配置して大屋根を支える構造形態について、構造的な面からも検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ロッキング連層耐震壁の材料構成則として、リターン・マッピングのアルゴリズムに基づく非線形材料構成則(von Mises則やDruker-Prager則)をこれまで開発してきた構造解析プログラムに実装することができ、大地震を受けた場合に、RC主架構のみならず、心棒が弾塑性挙動や材料非線形挙動を起こす場合の心棒効果について検討できるようになったため。

今後の研究の推進方策

最終年度である2022年度は、(1)基礎的な解析モデルによる心棒効果の検討、(2)現実的な解析モデルによる心棒効果の検討、(3)形態創生、建築設計への応用、の各項目に対して、バランスよく進展させるとともに、研究成果を纏めていく。

次年度使用額が生じた理由

国際会議が新型コロナ感染防止でオンラインになったため、予定していた国際シンポジウム、国内講演会のついての旅費等を使用しなかったので、次年度使用額が生じた。2022年度、国際会議への旅費、論文投稿費などに使用するとともに、地震応答シミュレーションに必要な非線形有限要素解析プログラムを購入する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] ロッキング連層耐震壁が弾塑性挙動する場合の心棒効果2022

    • 著者名/発表者名
      田川浩之
    • 雑誌名

      計算工学講演会論文集

      巻: 27 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [学会発表] ロッキング連層耐震壁の弾塑性挙動を考慮した場合の心棒効果2022

    • 著者名/発表者名
      田川浩之
    • 学会等名
      2022年度日本建築学会大会(北海道)学術講演会
  • [学会発表] RCコア併用による伝統木造軸組の積層化に向けての地震応答解析2022

    • 著者名/発表者名
      柳本真海、田川浩之、鈴木利友
    • 学会等名
      2022年度日本建築学会大会(北海道)学術講演会
  • [学会発表] 円弧状、渦巻き状ミウラ折りの提案と大屋根建築への応用2022

    • 著者名/発表者名
      田川浩之、吉岡七海、鈴木利友
    • 学会等名
      2022年度日本建築学会大会(北海道)建築デザイン発表会

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公開日: 2022-12-28  

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