本研究の成果は,屋外拡声システムのスピーカの分散配置の設計に不可欠な基礎情報を提供するものである。具体的には,本研究によって示された拡声音の必要最小限の音圧レベルの目安と,スピーカからの距離による音圧レベルのばらつきの実測事例は,それぞれのスピーカから再生する音の音圧レベルを十分な安全マージンを持って設計するための基礎資料となる。また,都市街区でのスピーカ配置の最適化事例も今後新設・増設される屋外拡声システムの参考資料となる。これらは社会的には災害に強い社会基盤の実現に貢献するものである。また,学術的には蓄積の少ない屋外における音声の長距離伝搬に関する貴重なデータとして資するものである。
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