研究課題/領域番号 |
20K04814
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
白澤 多一 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (40423420)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 風環境 / 自由記述 |
研究実績の概要 |
都市の公共空間の利用と都市の再開発計画のための風速と体感に関する基礎データを整備するとともに、都市の公共空間の利活用への展開を目標とした風に関するソーシャルマップを試作することが本研究の目的である。 昨年度同様に新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、計画通りに調査を実施することはできなかったものの、風速と体感、目撃した事象や風の強弱の評価、衣服・髪の乱れへの影響などに関するデータを収集した。 昨年度と今年度の調査結果に準備段階から実施してきたこれまでの調査結果を加え、測定時に目撃した事象や体感の自由記述について、頻出語、語と語の関連性を分析した。その結果、風に関する自由記述の内容が大きく①風の強弱、②木や枝、旗などへの影響、③天候、気温、④人や自転車、⑤温冷感、⑥場所や建物、についての6つに分けられることがわかった。また平均風速、最大瞬間風速と自由記述から抽出された語との関係性について分析し、風速が強くなるにつれて自由記述で使用される語も変化していることを確認した。さらにこれまで得られているデータを用い、風速と風に関する強弱評価、風の髪・服装へ影響についても、平均風速と最大瞬間風速との関係を整理した。その結果、風速と風の強弱に関する主観評価には強い相関があることを確認した。また髪への影響に比べ、服装への影響は小さい傾向にあること、平均風速で整理した場合も最大瞬間風速で整理した場合も風速の値は違うものの概ね同様に評価割合が変化していたことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度同様、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、計画していた風環境調査を予定通りに実施することができなかった。そのため、収集したデータについての分析は順次、進めているが、計画していた内容を十分に進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、計画通りの調査を実施することができるかは不透明な部分もあると考えられる。そのため、昨年度の計画を継続していく予定であるが、昨年度、今年度の調査結果に加え、準備段階で実施してきた調査結果も活用し、分析を進めることとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は2つの調査を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、予定通りの調査ができなかった。また学会等へ参加し、情報収集をするために予定していた旅費を使用する機会がなかった。 そのため、調査にかかわる旅費、データ整理のための人件費・謝金などの執行ができず、次年度使用額が生じることとなった。 順次、調査結果を分析する予定のため、調査結果のデータ整理など、人件費・謝金が必要になる。また情報収集のための学会やシンポジウムへの参加も予定している。次年度使用額は、これらの目的のために活用する計画である。
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