研究課題/領域番号 |
20K04824
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研究機関 | 呉工業高等専門学校 |
研究代表者 |
大和 義昭 呉工業高等専門学校, 建築学分野, 教授 (20450140)
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研究分担者 |
宋 城基 広島工業大学, 環境学部, 教授 (70422813)
木村 竜士 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (90571810)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 代謝量 / 姿勢 / AI / 物体検知 / 骨格検知 / オープンデータセット |
研究実績の概要 |
最終年度となる2023年度には,物体検知AIモデルに立位,椅座位,平座位の3姿勢を判別可能になるように追加学習させた姿勢判別用AIモデルの構築および判別精度の検証研究と,気温20℃,24℃,28℃の3条件で被験者を用いた立位,椅座位,平座位および3.0km/h,5.0km/h,7.0km/h歩行時の代謝量測定実験研究を実施した. 男性6名に3姿勢をとらせカメラの仰角および方位角を変えて撮影した2970枚の画像を追加学習させたモデル,さらに女性7人を加えた13人・5045枚の画像を追加学習させたモデルを構築したが,いずれのモデルも姿勢判別精度は高いとは言えなかった.追加学習させた画像中の人物の腕・足のそろえ方にバリエーションが少なかったこと原因として考えられた. そこで,理学療法などでの人体の姿勢やスマートホームシステムでの居住者の起居の分析への応用を目的としてWeb上に公開された「オープンデータセット」で追加学習させたAIモデルを構築した.構築したモデルは,カラー画像中の人物の姿勢は一定の精度で判別したが,プライバシー配慮や暗所での判別も期待できるグレースケール熱画像中の人物についてはほぼ判別できなかった.オープンデータセットにより姿勢判別AIモデルが少ない労力で構築できる可能性を見いだせたのは大きな研究成果であったが,グレースケール熱画像の判別にも利用できるようオープンデータセットの加工・修正という新たな研究課題も見出された. 代謝量測定実験の結果,代謝量に気温の及ぼす影響が小さいこと,運動強度が高くなるにつれ代謝量およびその個人差が大きくなることなどを示した.また心拍と代謝量の関係式を示した.その一方で姿勢による代謝の違いが見られなかったことから,AIによる代謝量の非接触・リアルタイム推定ためには,姿勢判別よりも動きの推定がより重要となる新たな研究課題が見出された.
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