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2023 年度 実績報告書

"通い住民"の地域社会持続への寄与とその定量化

研究課題

研究課題/領域番号 20K04829
研究機関千葉大学

研究代表者

齋藤 雪彦  千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (80334481)

研究分担者 野田 満  近畿大学, 総合社会学部, 講師 (70793909)
椎野 亜紀夫  札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (00364240)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード空き家 / 転出者 / 通い / 地域外家族 / 地域活動 / コミュニティ / 地域社会維持 / 地域貢献
研究実績の概要

転出者を空き家所有者、地域外家族に分けて、それぞれ福島県下郷町と会津坂下町、また下郷町と群馬県南牧村でアンケート調査を実施し、前科研調査(群馬県神流町、南牧村空き家調査)との比較から東京3時間圏中山間地域における傾向を見た。
まず空き家となった年数が10年以内が約4-6割程度と近年の空き家化、空き家所有者では月1回以上帰省が約3割、年1回以上帰省が約8割以上、農作業実施が約2割などが共通してみられ。また、地域つきあいが約7-8割、地域活動への参加約2-4割、個人的な余暇活動が6-7割であった。地域外家族では、地域つきあいが約4割強、地域活動への参加が約3割、個人的余暇が約6割弱であった。
また会津坂下町は、比較的平場農村を多く含むため都市的性格を持っており、「地縁維持意欲、地域を舞台とする余暇意欲が低い」。また既往研究との比較を通じて、南牧村は、高齢化、空き家化の進展が早く、地域外家族の年齢は代替わりのために若年化しているが、空き家所有者は高齢化が進んでいること、地域外家族の近居が進んでいる。つまり、空き家や高齢化など課題が深刻な地域ほど、これを解決するための転出者の近居や生活支援などの自助努力が手厚いことが推察される。
最後に、空き家所有者の社会的インパクトを試算した。つまり通い住民(転出者)をある種の住民と想定すると、下郷町では約1割弱(月1回以上帰省人口、耕作者、地域活動メンバー)から約2割弱(年1回以上帰省人口、主屋管理者、地域つきあいメンバー)を全住民(現住民+通い住民)の中で占め、の南牧村では約1割強(月1回以上帰省人口、耕作者)から約3割(年1回以上帰省人口、主屋管理者)を全住民の中で占めることを明らかにした。
概して言えば、通い住民の地域社会の貢献を限界はあるものの一定程度同定できたことが研究の成果であると言えるのではないか。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 山間地域における空き家所有世帯の帰省行動と地域社会への関与に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      南宏、齋藤雪彦
    • 雑誌名

      日本建築学会住宅系研究報告会論文集

      巻: 18 ページ: 41-50

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「通い住民」の地域社会持続への寄与に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤雪彦
    • 雑誌名

      2023年度日本建築学会学術講演梗概集・農村計画

      巻: 農村計画 ページ: 75-76

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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