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2022 年度 実施状況報告書

戦後の防火建築帯に学ぶ都市建築類型学の構築と新しい都市建築モデルの探求

研究課題

研究課題/領域番号 20K04839
研究機関神奈川大学

研究代表者

中井 邦夫  神奈川大学, 建築学部, 教授 (40313340)

研究分担者 曽我部 昌史  神奈川大学, 建築学部, 教授 (00262270)
内田 青蔵  神奈川大学, 建築学部, 教授 (30277686)
石黒 由紀  前橋工科大学, 工学部, 准教授 (40737483)
藤岡 泰寛  横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (80322098)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード防火建築帯 / 建築類型学 / 都市建築 / 防災建築街区 / 沿道型建築 / 街区型建築 / 空所 / 中層建築
研究実績の概要

令和4年度の計画としては、最終年度として、前年度までの研究活動の取りまとめなどを中心に進める予定であったが、コロナ禍に伴う研究計画の見直しが必要となったため、当初前年度までに実施する予定であった研究活動を引き続き実施することとなった。具体的には、現時点で現存することが把握されている国内各地のいくつかの事例を対象に、文献や現地取材、関係者への聴取などにより資料収集と調査を進めると同時に、防火帯建築を活用した都市建築モデルの構築のケーススタディを行った。主に以下のような研究を推進した。
1)各地の防火建築帯並びにそれに類する戦後復興建築のについての調査研究・・・前年度までの活動に続き、横浜および金沢に残る事例について調査を行い、それぞれ報告書としてまとめた。また沖縄、東京の事例等に関する学会発表を行うとともに、岡山、徳島などにおける事例に関する調査を行った。
2)防火帯建築の継承建築である防災建築街区に関する事例調査・・・防火帯建築を継承して制定、建設された、全国の防災建築街区について事例のうち、当時の代表的な都市建築モデルのひとつといえる、住商併存型の建物(下駄ばきアパート)の外形構成に関する論文を建築学会論文集にて発表した。また大阪、富山などにおける防災建築街区事例に関する調査を行った。
3)防火帯建築を活用した都市建築モデルの構築のケース・スタディとしての、富山県魚津中央通り防火建築帯の再生活用計画の推進・・・前年度までの活動を継続して、同防火建築帯内の一区画の改修を進めた。令和4年度終了時点で、改修工事の約8割程度まで進んでいる。
4)防火帯建築を活用した都市建築モデルの構築のケース・スタディとして、前橋市内に残る事例を対象とした改築案を作成した。
(以上)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

長期化したコロナ禍の影響等により、令和4年度も引き続き、いくつかの研究項目の実施が難しい状況が続いたことなどの原因により、本研究課題の進捗状況は、当初のスケジュールよりもやや遅れていると言わざるを得ないものの、そうした状況下において、実施計画の組み替え等を行い、前倒しして実施できるものを先行して推進することとした。とくに、国内各地での視察調査の実施については、大阪や岡山、富山、金沢、徳島などのいくつかの事例についての調査研究を推進することができた。その結果、令和4年度の予算執行額は、当該年度の当初予算額の7割あまりまで執行できた一方、コロナ禍の影響で、当初計画に組み込まれている国外での視察調査旅費等が消化しきれていないことなどを主な原因として、前年度までの未執行分を含む予算が残されている。

今後の研究の推進方策

長期化したコロナ禍の影響によって、現地調査が研究の重要な位置を占めている本研究課題の当初の実施計画は、これまで大幅な見直しを強いられ、研究計画も随時見直しを行いつつ実施可能なものを推進してきたが、当初の最終年度であった令和4年度までにおける研究項目の消化が難しくなったため、本研究の期間延長を申請し、認められた。令和5年度においては、これまでに実施できていない研究項目の実施を計画しており、引き続き全国各地ならびに国外での視察調査の実施を進めるとともに、当初計画の目標である「新たな都市建築モデルの構築」を推進するとともに、研究全体の取りまとめへ向けて活動していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の長期化により、令和4年度に見込んでいた調査旅費、およびそれに付随する諸経費が消化できなかったことが大きな理由であるが、今年度に入ってからコロナ関連の制限が緩和されたこともあり、これまで制約を受けていた研究項目の推進に注力したいと考える。具体的には、引き続き全国各地の調査を進めるとともに、これまで制約を受けていた国外での視察調査の実施を予定している。また都市建築モデルの構築に関するプロジェクトの推進も継続する。それらの各研究項目を着実に推進し、研究全体の成果のとりまとめを行う予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 防災建築街区造成事業における住商併存建築の外形構成の変遷2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木成也、中井邦夫、渡辺悠介
    • 雑誌名

      日本建築学会計画系論文集

      巻: 88巻803号 ページ: 308-315

    • DOI

      10.3130/aija.88.308

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 横浜の防火帯建築から読み解く防災まちづくりの作法2023

    • 著者名/発表者名
      藤岡泰寛
    • 雑誌名

      月刊フェスク(一般財団法人 日本消防設備安全センター機関誌)

      巻: 2月号 ページ: 28-33

  • [学会発表] 那覇市水上店舗の建設経緯及び実態調査2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木成也、中井邦夫
    • 学会等名
      2022年度日本建築学会大会
  • [学会発表] 巣鴨地蔵通り防火建築帯の概要と設計者中条国男について2022

    • 著者名/発表者名
      中井邦夫、鈴木成也
    • 学会等名
      2022年度日本建築学会大会
  • [学会発表] マレーシア、ペナン島のジョージタウンにおけるショップハ ウスのリノベーション手法2022

    • 著者名/発表者名
      黄献根、中井邦夫、鈴木成也
    • 学会等名
      2022年度日本建築学会大会
  • [学会発表] 前橋市平和祈念・防火帯建築資料館 - 前橋市に残る防火帯建築を活用した平和記念と復興の資料館の提案 -2022

    • 著者名/発表者名
      石渡智彦、石黒由紀
    • 学会等名
      第20回 JIA関東甲信越支部 大学院修士設計展2022
  • [図書] BA/横浜防火帯建築研究No.28+29、(金沢特別号)石引商店街2023

    • 著者名/発表者名
      中井邦夫、伊藤伸一郎、小澤美月、中澤実那
    • 総ページ数
      80
    • 出版者
      BA編集部
  • [図書] BA/横浜防火帯建築研究No.27、住吉町三丁目防火帯建築群2023

    • 著者名/発表者名
      中井邦夫、野田雄大、足立将博
    • 総ページ数
      52
    • 出版者
      BA編集部

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公開日: 2023-12-25  

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