視覚障害者が曲線状の経路を直線状だと誤認すれば、知らず知らずのうちに方向がずれていき、迷ってしまい危険なこともあるが、曲率半径の大小や周辺状況によっては曲折の把握も異なると考えられる。本研究によって、視覚障害者の様々な曲線経路の把握方法や誤認、方向感覚維持が明らかになった。曲線や円形状の経路は、地下街や駅コンコース、大規模ショッピングモール、店舗などの商業空間や劇場、公衆トイレ、会議室、図書館、美術館、さらには体育館等に見られ、大小様々で、単純な構造のものから複雑な構造のものまである。こうした場所での誘導用ブロックの有効な敷設や建物自体の計画・設計における留意点を示すことができると考えられる。
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