研究実績の概要 |
研究初年度にあたる2020年度は、研究の枠組みの構築にあたり、都市開発分野における開発援助を先導してきたドナーである国連ハビタットや世界銀行、アジア開発銀行、アフリカ開発銀行、米州開発銀行等の援助方針文書等をレビューして都市開発分野の開発援助をめぐる国際的論調を整理した。新型コロナ感染症をめぐる緊急対応についても、例えば、”UN-Habitat COVID-19 Response Plan” (April 2020)をはじめとする文献を用いた。一方、国際協力機構JICAについても、近年新しく導入されようとしている協力戦略クラスターにおける都市開発分野の「自律的な都市マネジメント」に至るまで、同様の整理を行い、日本による都市計画マスタープラン策定支援事業の国際的位置付けやその意義と課題等を整理した。また、JICAによる都市計画マスタープラン策定支援事業全対象都市を社会経済的条件(人口や一人あたりGDP等)、制度条件(旧宗主国の違いによる都市計画関連制度の違い等)、支援条件(日本側のODA主導・民間先導・官民連携等の枠組みと相手国側のキャパシティ等)で分類、さらに、新型コロナ感染症をめぐる状況も勘案しつつ、各都市に関する基本的情報を収集・整理し、事例調査対象都市を再検討した。2020年度の研究成果は、志摩憲寿(2020)「メデジン市における都市開発の発展経緯に関する考察」、『IBS Annual Report 研究活動報告 2020』、pp.55-60、Phou, S. and Shima, N. (2020) “Review of Neighborhood Planning Theories for Application in Rapidly Urbanizing Cities: The Case of Phnom Penh Capital City, Cambodia”, Proceedings of the 16th Conference of Asian and African City Planning (AACP2020), pp.1-10等として公表した。
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