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2020 年度 実施状況報告書

住宅放棄・空き家が増加する地域における住民組織による管理実態と課題に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K04858
研究機関明星大学

研究代表者

西浦 定継  明星大学, 理工学部, 教授 (10267693)

研究分担者 平 修久  聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (10327091)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード住宅所有者組織 / 先取特権 / 住宅ローン
研究実績の概要

本年度は、日本における区分所有法と米国におけるHOA(Homeowner Association)にかわる先取特権制度(Super priority lien)を比較考察することを通して、集団で住宅管理を行う組織の権限とその限界について考察をおこなった。日本のマンション管理組合と、米国のUCIOAが想定しているHOAでは、対象物件の物理的状況が異なるが、共有部分の管理問題にどう対応するかという点において、直面する課題と今後の対策について、共有できる部分があると考えた。
米国の先取特権制度のような仕組みを日本に導入しようとするならば、少なくとも以下の点を詰める必要がある。一つは、未払い額の月数である。多くの州では、6ヵ月または9ヵ月としていたが、その根拠は処分手続きに要する期間を想定している。果たして日本の場合、何を根拠として未払い額の月数を決めるかである。Florida州のように、住宅ローン残額の1%程度という規定もある。しかし、管理費は共有部分を適切な状態に保つための費用であり、共同で管理するための費用である。したがって、月数を提示するのが妥当であろう。二つ目は、譲渡抵当実行手続きを行う場合、どこの範囲まで周知するかという点である。手続きを開始するにあたり、譲渡抵当設定者に周知する必要がある。しかし、専有部分が第2、第3の抵当に入っている可能性もあり、果たしてどこまでその事実を把握し、コンタクトをとれるかということである。
本論で整理したHOAにかかわる先取特権制度は、あくまで規程を対象に考察した内容である。今後は、さらに運用に伴う具体的判例などから、運用実態を明らかにする必要があると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

以下のような論文投稿を行っている。
・西浦定継、平修久、吉川富夫 (2020)、「住宅管理における先取特権制度がはらむ管理組織の権限に関する課題」、都市計画報告集、No.19, 日本都市計画学会 (査読なし)
・西浦定継、平修久、吉川富夫 (2020)、「住宅管理における管理費未納問題に対する管理組織の権限に関する考察」、都市計画論文集、日本都市計画学会 (投稿中、査読付)

今後の研究の推進方策

本論で整理したHOAにかかわる先取特権制度は、あくまで規程を対象に考察した内容である。今後は、さらに運用に伴う具体的判例などから、運用実態を明らかにする必要があると考えている。
また、社会状況が改善した場合は、米国での現地調査を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型ころ感染拡大により、米国出張ができなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 住宅管理における先取特権制度がはらむ管理組織の権限に関する課題2020

    • 著者名/発表者名
      西浦定継、平修久、吉川富夫
    • 雑誌名

      都市計画報告集

      巻: 19 ページ: 158, 161

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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