研究課題/領域番号 |
20K04865
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
有田 智一 筑波大学, システム情報系, 教授 (90344861)
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研究分担者 |
川島 宏一 筑波大学, システム情報系, 教授 (00756257)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | オープンデータ / 市民セクター / ICT / まちづくり |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「市民セクターの主導によってICT活用により具体的な公共政策課題を発掘し、その解決策を提案し、社会実装してゆける一連の活動を促進するための地域主体の仕組みづくりをどのように行うべきか」という問いを明らかにすることにある。 2020年度における本研究の目標は、オープンデータの普及を阻んでいる要因を明らかにするとともに、 特に公共セクターと外部ICT専門家との協働体制を促進するための課題を明らかにすることにある。 具体的には、官民データ活用促進法の取り組みの普及の実態把握として、全国の市町村における官民データ活用推進計画の策定状況と策定内容について実施したアンケート調査の分析を行った。特に、地方自治体における総合的なオープンデータ施策の実施状況を把握するため、①自治体が保有する公共データの公開、②データを巡る官民の連携・協働、③庁内におけるデータの利活用状況の3つの視点に着目した。 官民データ活用促進法など政府の施策は保有データの公開を推進する誘因となるものの、次のステップとして「官民連携・協働」や「データ利活用」に繋げ、取り組みを深めていくためには、行政の取り組みをサポートする民間の組織や人材の存在が推進力になっていると考えられる。 大規模自治体に関しては、官デ法施行以前より取り組みを進めている団体の方が、データを巡る多様な主体との連携・協働や庁内におけるデータ利活用についても一定の進展を見せている。中・小規模自治体でも、保有データ公開の初期の段階から、公開データの量と質を一定程度確保できる環境にあるものの、民間との連携・協働や庁内におけるデータ利活用など総合的な取り組みにまで繋がるには至っていないケースが多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症拡大等の影響もあり、自治体等の現場に対する個別のインタビューの実施が予定通りには進捗していない点で、やや遅れていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度同様にコロナウイルス感染症拡大等の影響があるが、先進地域・先進事例を対象とするインタビュー調査をできるだけ2021年度に実施することによって、当初の研究計画のうち、市民セクター主導による地域課題解決のアイデアを実際に社会実装するに至るまでに必要な支援の仕組みについて調査検討するという推進方策を想定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
現下のコロナウイルス感染症拡大の影響で、先進地域等における自治体等を対象とした現地調査とインタビュー調査が予定通り進捗しておらず、旅費での執行が殆どなかった。2021年度については、可能な範囲で現地調査を実施致したい。
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