研究課題/領域番号 |
20K04867
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
下田 元毅 大阪大学, 工学研究科, 助教 (30595723)
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研究分担者 |
友渕 貴之 宮城大学, 事業構想学群, 助教 (10803596)
宮崎 篤徳 関西大学, 先端科学技術推進機構, 非常勤研究員 (60595726)
野田 満 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (70793909)
青木 佳子 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (70815860)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 漁業権変化 / 生活圏の変化 / 交流関係の変化 |
研究実績の概要 |
本研究は,来るべき大災害に向け,「ネットワーク型の事前復興計画」を提案することを目的とする.ネットワーク型とは,小規模漁村間における相互補完の関係を構築する事を意味し,災害を契機とした漁村集落の共有・統合化の可能性を探ることを想定している. 加速する少子高齢化により,生業および集落空間に関係するの維持・管理の担い手をどのように担保していくのか,さらに改正漁業法による海のコモンズ(漁業権)と地域構造がどのように変化していくのか,海からの視点で考案する. 2021度は,新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から,主にデータベースと各研究担当者のフィールドにおける基本調査が主たる実施内容となった.具体的には,改正漁業法施行年度における漁業権の更新や変化の動向を各調査対象地での状況を把握した.調査の結果,概ねこれまでの漁業権行使の主体に変化はみられず,従来からの地域主体での運用であった.この要因については,幾つかの要因が考えられるが,エビデンスを得るためのアンケート調査などの必要性があり,次年度以降の課題とする. また,研究計画上は,想定外であったが,緊急事態宣言下における各漁村における生活圏・交流関係とその範囲などが緊急事態宣言前後において,どのように変化したのかを把握した.これは,地域固有の領域感覚を把握し,周辺漁村との類似性と差異性から関係性を構築する手がかりを見出す上で有益な知見を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染拡大や緊急事態宣言の影響からフィールドワークやヒアリング等の調査が制限されたものの,データ解析などの調査を中心とした1年目の研究計画通り,概ね順調に進捗をしている.しかし,フィールドワークにおける調査項目や資料収集についてはやや遅れが生じているため,次年度以降の社会状況を見極めながら遅れを取り戻す計画を立てている.また,新型コロナウィルスに関係する制限が続くことも想定し,各研究対象地域と連携を取りながらオンラインでの情報を得るための環境を整えている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通りに次年度以降は,漁業権行使の視点から,漁場の領域変遷図,管理組織図,主要施設分布図などの一覧表の作成を行い,事前復興計画を集落間で相互補完できる要素を抽出する.また,研究対象地域でのシンポジウムの開催を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から現地調査などに関連して次年度使用額が生じた. 次年度の社会状況を踏まえ,現地調査回数を増やしていく予定である.また,研究対象地域におけるオンラインによる調査やヒアリングを行うための整備を行う.
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