研究課題/領域番号 |
20K04873
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
柴田 祐 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (90444562)
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研究分担者 |
宮定 章 和歌山大学, 災害科学・レジリエンス共創センター, 特任准教授 (00836851)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 住民組織 / 地区レベル / 復興まちづくり / 共通フレーム / 熊本地震 / 外部支援者 |
研究実績の概要 |
本研究では、まちづくり協議会に代表される地区レベルの住民組織に着目し、異なる被災地間においてもその役割や課題に共通性があるという仮説のもと、様々な地区レベルの復興プロセスの事例を比較検討、評価するための『共通フレーム』を明らかにすることを目的としている。 2021年度は、海外も含めたいくつかの被災地の現地調査と、復興まちづくりを支援している中間支援組織へのヒアリング調査を実施する予定であったが、今年度も新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、現地調査の実施は見送り、遠隔(Zoom)によるヒアリング調査を中心に実施した。 具体的には、10年を迎えた東日本大震災、熊本地震、2019年と2021年の佐賀豪雨、令和2年7月豪雨の被災地でそれぞれ復興まちづくりを支援しているNPOなどを対象にヒアリング調査を行った。支援団体の中心人物が活動をはじめることになった災害にいくつか共通点があり、例えば、中越地震での活動経験がその後の東日本大震災、熊本地震、佐賀豪雨、熊本豪雨などの支援活動につながっていることが把握でき、過去の被災地の経験の継承は、個人によるものも大きいこと、またそれに伴う課題について把握することができた。 また、あわせて熊本地震の被災地における復興まちづくりの参与観察調査については、地震直後から引き続き行っており、2021年度も継続して実施した。 一方で、令和2年7月豪雨を新たに調査対象に加えたことから、当初予定していた地震の被災地だけではなく豪雨災害の被災地にも調査対象を拡大し、ヒアリング調査を行った。地震と豪雨という災害によるプロセスの違いも、例えば、行政との連携や、外部支援者の役割などの違いが徐々に明らかになってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、現地調査の実施を見送ったことにより、支援団体については遠隔によるヒアリング調査を行うことができたものの、住民など、キーパーソン以外の声を聞くことができていない。 また、令和2年7月豪雨の発生に伴い、新たに調査対象に加えたことから、豪雨災害の被災地にも調査対象を拡大し、ヒアリング調査を行ったことから、進捗については当初の予定よりも遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に大きな変更はないが、新型コロナウィルスの状況は引き続き大きな変化はないと想定されるため、遠隔(Zoomなど)によるヒアリング調査を引き続き実施することとするが、最終年度を迎えるため、状況を見ながら積極的に現地調査を実施する予定として計画する。 また、令和2年7月豪雨の被災地のうち八代市坂本町、芦北町において、引き続き参与観察調査を行い、熊本地震での経験が活かされたり、継承された部分や、新たに蓄積された知見や課題について把握する。 また、ヒアリング調査結果により、多くの支援団体が、複数の災害、さらには地震と豪雨といった異なる災害で支援活動を行っていることも把握することができた。それらを踏まえて、より立体的に被災地から被災地への経験と知見の継承について明らかにし、『共通フレーム』の枠組みを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、現地調査の実施を見送ったため。 研究計画に大きな変更はないが、次年度は、新型コロナウィルスの状況を見ながら積極的に現地調査を実施する予定として計画する。
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