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2021 年度 実施状況報告書

エリア防災における外国人の避難行動分析からみた都市のマルチリンガル化

研究課題

研究課題/領域番号 20K04877
研究機関東京都市大学

研究代表者

丹羽 由佳理  東京都市大学, 環境学部, 准教授 (80586751)

研究分担者 佐野 友紀  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (70305556)
丹下 学  芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (70549584)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード災害 / 地下街 / 外国人 / 避難 / シミュレーション / エリア防災 / エリアマネジメント
研究実績の概要

(1)エリア防災:都心部におけるエリアマネジメント活動とオープンスペース利活用
エリア防災とは,人口・機能が高度に集積した地区において民間企業・自治体が連携をして防災力を高めるものである.本研究は,都心部で展開されているエリアマネジメント活動とエリア防災の関連に着目し,各都市で展開されている防災対策を調査した.COVID-19感染拡大の影響により多くの都市で防災訓練が中止されている一方,屋外空間へのニーズが高まっていることが分かった.一時避難施設など限られた空間を平時からいかに上手く使いこなしていくかという「空間のマネジメント」が重要であり,災害時でも活用できるオープンスペースのあり方についてさらに調査が必要だと分かった.
(2)地下空間モデルの作成と避難シミュレーションの試行
都心部の地下空間は,地下街,地下通路,地下広場等が複合したものであり,大規模かつ複雑化している.2021度は,行政や企業へのヒアリングを重ね,地下空間の脆弱性についていくつかの問題を抽出した.また,ターミナル駅周辺に広がる大規模地下空間を調査し,複数のモデルを作成した.地下街についてはより精緻な現地調査を重ね,出口情報,通路幅,防火シャッター,避難誘導サインなどをデータ化した.作成したモデルを用いて避難シミュレーションを試行し,空間のボトルネックを把握した.
(3)「都市のマルチリンガル化」に向けた評価項目の検討
本研究は,外国人滞留者の避難行動シミュレーションをベースにしたとき,「都市のマルチリンガル化」に向けた評価項目は,どのように構築されるかというRQを立てている.マルチリンガル化とは,単なる多言語対応に留まらず,都市に埋め込まれたサインのあり方,一時的な空間提供,情報システムの構築等も含んでいる.自治体へのヒアリングやエリアマネジメント組織へのインタビューを通して,評価項目の検討を進めた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

COVID-19の影響で人が集まる駅空間の調査が制限されているため調査の遅れが生じたが,おおむね順調なスケジュールで進んでいる.エリア防災の調査では,各都市のエリアマネジメント組織へのインタビューをオンラインで実施した.また少人数による現地調査により,地下空間モデルを作成できた.また人流シミュレーションの試行により,避難行動を検証するための素地を構築できた.

今後の研究の推進方策

2022-2023年度は,外国人の避難行動分析を行う.具体的には,1名ずつインタビュー調査を実施し,「情報を取得できない人(外国人)」の避難行動パタンや流れのボトリネックを明らかにする.これにより,エリア防災に欠けている属人的な視点を補強したい.本研究における「都市のマルチリンガル化」とは,単なる多言語対応ではなくピクトグラムなどの情報も含んでいる.都市に埋め込まれたサインのみではなく,一時的な空間提供,情報システムの構築も対象としている. 外国人の避難行動分析から,都市が抱える障害(バリア)を抽出し,マルチリンガル化に向けた評価項目の構築を目指す.

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染拡大の影響により,調査の時期が変更となり,使用が後ろ倒しになったため.2022年度は,少人数の外国人を対象に避難行動インタビューを実施するための費用,論文投稿費を支出予定である.

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公開日: 2022-12-28  

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