国土の約73%を山地が占め、平坦部に建設される住宅地は限られ多くの斜面市街地が存在する。その構造的な問題から発生する住生活の困難は特に高齢者・障がい者・乳幼児の子育て世代にとって深刻である。 本研究では、斜面地の「住みにくさ」解明と「住環境の改善」を高齢者や障がい者等の住生活に焦点をあてて調査・分析を行い、生活と自立を支える拠点「生活の場」「働く場」「学ぶ場」と移動における「点の整備」「線の整備」の重要性を明らかにした。また、日常だけなく災害時や避難時等の非日常の人の動きを時系列で平面図を使って調査・分析することが人々のニーズや課題を知る有効なメソッドであり、建築計画上での有効性を明らかにした。
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