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2020 年度 実施状況報告書

「大工棟梁」を中核とした近世建築生産史の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K04894
研究機関日本大学

研究代表者

山岸 吉弘  日本大学, 工学部, 講師 (40454201)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード建築生産 / 生産組織 / 大工棟梁
研究実績の概要

本研究の目的の一つに、「中世から近世にかけて、技術の変遷を明らかにさせる」ことを掲げている。そのためには大工の存在を把握することを目指していたが、より具体的・直接的に技術的な観点からの分析が可能な木割書を入手し研究に利用することができた。現存する多くが近世の木割書であるが、当該の木割書は中世のものであり、両者の差異を比較することで中世から近世という時間的な経過による内容の変化を検討し得る。
当該の木割書には「とりいのミやうもく」という表題がある。文章は主に前半と後半で内容が異なり、前半には元亀3年(1572)の年号と共に木割に関する文章が、後半には応永26年(1419)の年号と共に棟札に関する文章が、それぞれ記載されている。木割の部分は箇条書きで全10箇条からなり、初めの8個条で木割を、残りの2箇条で由来を記している。また文書が作成された年号と共に、筆写した者と所有した者が明記されている。
中世に記述された鳥居の木割はこれまで3例が知られていたため、当該の木割書で4例目ということになる。それら4例の比較から当該の木割の内容と特質を理解することがまずは必要である。始めに、くずし字で記載されている文字を翻刻し、文章を把握するための作業を行った。次に、4例で比較できる部分とできない部分を見極め、相互の類似点と相違点に分類した。
数少ない中世の木割書を新規に発掘し、技術の変遷を具体的に検討し得る史料を得た。研究を進めることで、学界に新たな知見をもたらすことができるものと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的の一つである「中世から近世にかけて、技術の変遷を明らかにさせる」ことを、新規に発掘した中世の木割書を分析することで具体的に進展させることができる。

今後の研究の推進方策

今後は、新規に発掘した中世の木割書を分析し、中世から近世へという変遷を技術的な観点から研究を進めるとともに、大工の存在を把握すべく資料調査を実施する計画である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は資料調査を実施せずに研究を進めることができたため、出張費の使用額が計画より減少した。一方で、資料調査は今後実施する計画であるため、本年度の残額は次年度にて出張費として使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 福島県内における中世の大工2020

    • 著者名/発表者名
      山岸吉弘
    • 学会等名
      2020年度日本建築学会大会

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公開日: 2021-12-27  

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