現代都市の母胎となっているのは近世に開発された城下町とその衛星都市である在方町である。城下町はその多くが県庁所在地となり大きな改変が行われるが、在方町に関しては歴史的町並みがある程度残存し、歴史を活かしたまちづくりが期待されている。伝統的町並みに関する調査報告事例が少ない在方町=地方都市においては、都市の歴史の固有性を明らかにすることが急務となっている。特に伝統的町並みは時代の流れと共に解体され、その存在自体が忘れ去られようとしている。地域の文化を継承し、今後の地域振興につなげていくためにも、都市復原図の作成と在方町の成立を明らかにすることは大きな意義をもっている。
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