研究課題/領域番号 |
20K04900
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
豊川 斎赫 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00462127)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 国立代々木競技場 |
研究実績の概要 |
2017年12月、国立代々木体育館は日本イコモス国内委員会が選定する「日本の20世紀遺産20選」の一つに選出された。その際、代々木体育館は「大規模空間建築の傑作」と評価され、世界文化遺産選定のための評価基準に照らした場合に「(ⅰ)人類の創造的才能を表す傑作であること」、「(ⅳ)人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式、建築的又は技術的な集合体の類型、景観に関する顕著な例であることに該当する」と位置づけられた。 本研究の目的以下2点、①20世紀に建設された大規模空間建築の発展過程・相互影響関係を明らかにしながら国立代々木体育館が上記の(ⅰ)と(ⅳ)に該当することを示すこと、②今後の国立代々木競技場の保全管理を円滑に進めるための改修工事履歴の情報基盤を構築すること、に整理される。 一つ目の目的に関連して、50-60年代日本の大規模空間建築の多様性と国立代々木体育館への影響を把握し、50-60年代世界各地の大規模空間建築の多様性と国立代々木体育館への影響を把握することに努める。二つ目の目的に関連して、国立代々木競技場改修工事履歴を年代別に平面図に落としこみ(CAD)、国立代々木競技場改修工事履歴に即した仕上げ変遷リストの作成を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は代々木競技場の実施設計に関する資料調査を行い、研究成果は日本建築学会技術報告集に掲載された。また、代々木競技場に先立って丹下が設計した愛媛県民館(1953年竣工、直径50m平面の球殻型RC造シェル)の設計過程を分析し、1950年代の日本におけるシェル技術の発展過程の一端を明らかにした。研究成果は日本建築学会技術報告集に掲載された。 これらの成果は一つ目の目的(20世紀に建設された大規模空間建築の発展過程・相互影響関係を明らかにしながら国立代々木体育館が上記の(ⅰ)と(ⅳ)に該当することを示すこと)に該当する。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、代々木競技場の実施設計(設備設計)に関する資料調査を行う予定である。また、愛媛県民館の後に丹下が設計した駿府会館、香川県立体育館について研究を進め、代々木競技場との関係を分析する予定である。 また、二つ目の目的(後の国立代々木競技場の保全管理を円滑に進めるための改修工事履歴の情報基盤を構築すること)を目指して、作業を進めたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、図面作成の補助を依頼できず、謝金が執行できなかった。 今年度以降に作業を進める予定である。
|