研究実績の概要 |
国立代々木競技場の世界遺産登録を目指すにあたりCMP(保全管理計画)の作成が不可欠となる。その際、アメリカにおける丹下作品を中心とした日本近代建築評価について、アメリカで出版された建築系雑誌を調査し、建築学会技術報告集に投稿した(戦後日本建築の評価に関する資料調査 その2:丹下健三と米雑誌編集者との応答書簡 )。 また、国立代々木競技場と同時代に建設され、大屋根を有する駒沢競技場の設計プロセスについても調査し、設計者である村田政真と丹下健三の差異について分析を行った。この成果を建築学会計画系論文集に投稿した(駒沢陸上競技場の設計プロセスに関する研究)。 同様に、駒沢記念公園のタワーに関する来歴を調査し、Journal of Asian Architecture and Building Engineeringに投稿した(The process for designing and constructing the Komazawa Olympic Park control tower )。 なお、研究成果は、国際シンポジウム「国立代々木競技場世界遺産登録推進国際シンポジウム」(2023年11月19日開催、東大安田講堂)、「Keeping It Modern Planning Grant, Getty Foundation, Taiwan Convening 2023」(2024年2月21-26日、Taiwan, Tunghai University)にて発表の機会を得た。特にTaiwan Convening 2023では、環太平洋に立地する国々(アメリカ・オーストラリア・チリ・日本・台湾)やトルコ、イタリアの専門家が集合し、各国の近代建築に対しどのようなCMPが立案されているかを1週間にわたって集中討議できた。また最終日には丹下が台湾で設計した聖心女子大学キャンパスを見学し、当該建物の特質について有意義なディスカッションが行われた。
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