寺社建築の近世化を考える上で、豊臣政権による寺社造営の実態を明らかにすることは、重要な課題のひとつであった。だが、これまで建築史の分野では豊臣政権の寺社造営について本格的に論じた研究はほとんどなかった。また、寺社建築の近世化についての理論構築も行われた来なかった。そのなかで、本研究課題では、豊臣政権の寺社造営や寺社建築の近世化について考察を加え、その特質の一端を明らかにすることができた。そこに、本研究の成果の学術的意義がある。また、こうした研究成果は、近世の寺社建築の文化財としての評価に大きく関わるものであり、そこに社会的な意義があるといえよう。
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