研究課題
基盤研究(C)
本研究は、ヘラート旧市街地およびその周辺地域の歴史的な文化遺産を調査し、その価値を明示するとともに、将来的な保全計画策定のための基礎資料とするものである。従来の研究では、主に城塞やモスクなどのモニュメントが研究対象とされてきたが、本研究では都市壁、ダーラン(道路上の構造物)や住宅までを含めた伝統的景観にまで研究対象を広げている。このことにより、面的な都市としてのヘラートの文化的価値を示すことが可能となった。
都市史
バーミャン遺跡における大仏の破壊からも分かるように、ターリバン政権はイスラム教以外の宗教施設の価値を認めていないため、アフガニスタン国内でのイスラム期以前の歴史的建造物の研究は進んでいない。本研究における主要な研究成果の一つとして、ヘラート旧市街地の都市壁の建造年代がイスラム期以前に遡るという論文があるが、こうした新たな知見をアフガニスタン国内外の研究者に共有してもらうため、研究成果はすべて英文論文として建築学会計画系論文集に投稿している。