研究課題/領域番号 |
20K04931
|
研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
二ッ森 俊一 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 上席研究員 (20551211)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | ミリ波 / レーダ / FDTD数値解析 / 航空機 / MIMO / 送電線 / RCS / 偏波特性 |
研究実績の概要 |
令和4年度はこれまでの研究成果を踏まえ,76 GHz帯ミリ波MIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)レーダ実験系の構築を行った。また、構築した76 GHz帯ミリ波MIMOレーダ実験系を用い,電波暗室におけるミリ波MIMOレーダ技術評価を実施した.具体的には下記の通りである. 1. ヘリコプタ前方障害物76 GHz帯ミリ波MIMOレーダの実験系構築:昨年度までに構築を完了している信号処理回路とミリ波レーダ部を組み合わせ,連接動作が可能となるように実験系構築を実施した.これまで最大4 MS/sであった受信信号のAD変換器を最大125 MS/sとし,さらに信号処理に用いるFPGAを更新し,信号処理能力向上が向上した。これにより,これまでよりも細かい距離分解能(30 cm)で,遠距離(4 km以上)までを探知覆域とすることが可能となった. 2. MIMOレーダ要素技術評価:上記について,構築した実験系を用い,屋外環境において地上送電線探知試験等を実施し,レーダ動作確認および各種要素技術評価を実施した. 3. 地上送電線探知試験:1. において構築した実験系を用い,地上から高圧送電線の探知試験を実施した.信号処理回路の性能向上により,探知性能を維持しつつ,従来よりも高分解能なレーダ探知結果が得られることを確認した。また,併せてヘリコプタ搭載時におけるレドーム影響評価のための測定および影響分析を実施した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究概要に記載したとおり,ヘリコプタ前方障害物76 GHz帯ミリ波MIMOレーダの実験系構築,MIMOレーダ要素技術評価,および地上送電線探知試験を実施し,当初の研究計画に沿った形で進捗している.一方,当初の予定では令和4年度が最終年度であったが,成果取りまとめにおいて,処理中・未発表のデータ等が残されており,研究年度を1年延長して研究を継続することとしたい.
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度までに取得した実験結果について、データ処理および取りまとめ、成果発表を実施する。また、必要に応じて追加実験を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費の次年度使用額が生じた理由は,アンテナ回路等のレーダ要素回路の実験部材および計算機補用品等の購入時期が研究実施期間の延長の伴い変更となったためである。次年度の使用計画については,構築したミリ波レーダ回路の評価試験部材購入等に使用する予定である.
|