本研究課題では,ギガビット級水中光無線通信の伝送距離延伸を目的とし,可視光レーザアレイの指向性制御による送信機の実現を目指した.低出力ながら高速変調可能な複数レーザダイオードをアレイ化し出射方向を受光面に集中させて送信光パワーを向上させる手法により,2つのレーザダイオードで受信光パワーが2倍近く向上しビット誤り率特性が改善された.またLD・PDの狭いダイナミックレンジの有効活用のため、Tomlinson-Harashimaプリコーディング(THP)を送信側に適用する手法を検討した.THPを用いることで,従来のFIR型前置等化器に比べビット誤り率特性が改善し,所要受信光電力が約2dB低減された。
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