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2020 年度 実施状況報告書

パラメトリック励振を用いた自己給電可能なアクティブ型動吸振器の基礎的開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K04950
研究機関国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所

研究代表者

谷口 智之  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (20782460)

研究分担者 藤本 修平  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (80586686)
市川 泰久  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (20586680)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードオートパラメトリック励振 / 振動制御 / 安定判別 / 自励振動
研究実績の概要

船内振動に対する国際規格の改正や騒音規制の導入など効果的な振動・騒音の低減が求められているが,事前の高精度な振動予測は難しいことが多く,建造後に対策可能な装置が望まれる.一方で振動抑制法として自励振動の活用が注目されている.自励振動とは周囲のエネルギーを振動エネルギーに変換し,発生・成長する振動であり,自励振動を用いた装置が制振対象の代わりに振動することによって,効率的に振動を低減化させる.この性質は振動発電としても用いられる.しかしながら,制振効果が表れる周波数範囲が狭く,ロバスト性には課題が残る.また,動吸振器を制御することで低減効果のある周波数範囲を広げるアクティブ型動吸振器があるが,外部電源が必要となるなど運用コストの負担が増加する.そこで,本研究では,自励振動による抑制効果と振動発電のそれぞれの特長を活かして,振動発電を電源としたアクティブ制御を導入することにより,広範囲かつ効果的に制振を行う自己給電型制振装置の開発を目的とする.当該年度は研究計画上の①理論的検討および②制御方法の検討の一部を実施した.具体的には,オートパラメトリック励振が発生するような並進運動する質量に振り子が付いた主系を定義し,その振り子に制御用の振り子を搭載した解析モデルを構築した.解析モデルに基づき安定判別および力学的な特徴について調べ,特に近似解析手法を用いて安定不安定領域に対して制御入力が及ぼす影響を解析した.オートパラメトリック励振が発生する領域を広げるためには,系の不安定性を高める必要があるが,状態フィードバックの項をオートパラメトリック励振に関わる項として定義することで直接的に不安定性が高まることが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画では①理論的検討および②制御方法の検討の一部を実施する予定であった.①理論的検討については,解析モデルを構築し,近似解析や数値計算による安定不安定領域に対する制御入力が与える影響の検討を実施しており,理論的な検討についてはおおむね順調である.一方で,②制御方法の検討の一部の実施については,状態フィードバックの構築について検討を実施しており,数値計算や近似解析結果から,オートパラメトリック励振に関わる項を用いた設定法が有効であることまで確認した.以上より,本研究課題はほぼ計画通りに進んでいる.

今後の研究の推進方策

R03年度は②制御方法の検討の続きと③実験的検討を開始する.まず,R02年度では安定不安定領域の拡大に対する影響を見たが,発電性能を含めた制御法の構築までは至っていない.そのため,発電に関するパラメータを含めた状態フィードバック方法の検討を実施する.また,制御を実施する際にはハードウェアの制約があるため,③の実験的検討も開始する.具体的にはRaspberry Piを用いた制御装置の構築に取り掛かり,設定できるゲインの範囲など装置としての実現性を含めた検討を実施する.

次年度使用額が生じた理由

計画時は国内および国際学会の旅費を計上していたが,新型コロナウイルスの影響により,渡航を断念する必要があったため.

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公開日: 2021-12-27  

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