• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

燃料組成がブラックカーボンの排出・光吸収特性に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K04953
研究機関国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所

研究代表者

益田 晶子  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (10322679)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードブラックカーボン / 凝集体 / フラクタル次元
研究実績の概要

ディーゼル機関排ガス中のブラックカーボン(BC)の光吸収に影響を与える因子のひとつとして、BC自体の炭素構造がある。ディーゼル機関排ガス中のBCを捕集し、走査電子顕微鏡(SEM)で観測するため、まず捕集条件と手法を確立した。そのうえで、留出油基材のもの、残渣油基材のものの2種類の燃料を用い、排ガス中のBC濃度、粒径を計測するとともに、捕集をおこなった。粒径だけでなく、BCの炭素凝集体のフラクタル次元とBC光吸収との関係を明らかにするため、SEM像からフラクタル次元を解析する手法を構築した。BC凝集体のフラクタル次元は、凝集体に含まれるBC粒子の数と凝集体の旋回半径、BCの粒子径とフラクタル次元Dfの間に成り立つ関係式を、それぞれの凝集体に対してプロットし、最小二乗法により近似曲線を計算し求めることができる。解析の結果、エンジン負荷率が高い方がBC粒子径が小さいだけでなく、凝集体の旋回半径も小さく、またその分布が狭いことがわかった。また、エンジン負荷率によって排出されるBC凝集体のフラクタル次元が異なり、エンジン負荷率が高いほどフラクタル次元は高く、より枝分かれが進み、球形に近い構造となっていることが示唆された。実際にSEM像から得られた平均的な最大径や長軸・短軸比からも、負荷率が高い方が、より球状に近くなっていることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

フラクタル構造の解析法構築に時間がかかり、内部構造の観察に至らなかった。

今後の研究の推進方策

燃料の組成を変え熱分解反応試験を行い、昇温に従っておこる気化・分解・炭化反応生成物を分析する。ブラックカーボン凝集体内部の構造を観測・分析し、光吸収との関連を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

燃焼試験および電子顕微鏡解析を優先したため。翌年度分と併せ、熱分解試験装置を作製する計画である。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi