ブラックカーボン(BC)の排出量は、一般に燃料油中のアロマ成分量に依存すると言われている。飽和成分が7割をしめる超低硫黄留出油(LSA)と、アロマ成分が5割をしめる高硫黄残渣油(HFO)、飽和分が6割程度の低硫黄残渣油(LSC)を用いて、ブラックカーボンの排出量を調査したところ、エンジン負荷率が高い場合は燃料油による差はほとんどなかった一方、低負荷率の時には、LSC>HFO>LSAの順でBC排出量が多かった。したがって、BC排出量はアロマ成分の含有量のみに依存するわけではないことが明らかになり、H/C比の分析等から、より高次に結合した芳香族成分がBC排出量の増大につながっていることがわかった。
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