研究課題/領域番号 |
20K04954
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
一ノ瀬 康雄 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (00550021)
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研究分担者 |
谷口 智之 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (20782460)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 船型 / 伴流 / 数値流体力学 / 機械学習 / データベース / 推進性能 / 船尾振動 / 船型表現 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は船尾振動および水中騒音低減の観点で重要な船尾伴流場の設計問題について、船型データベースを構築・分析することにより、船型と船尾流場の関係性を明らかにすることである。対象とする船型データベースの規模は数千から数万規模を目標としており、粘性CFDによる船型・流場データベースの構築には効率的な自動船型生成の手法の構築と、船型データベースの解析手法の検討が必要である。 1年目の昨年度は、近年画像解析において成果が著しいConvolutional Neural Network(CNN)の技術を応用した船型データベースの解析手法を提案し、手法の検証を行った。 今年度は、データベースの解析結果に一般性を持たせるため、これまで内航肥大船に限定されていた船型データベースを外航船型、痩せ型船型にも拡張した。この過程で、これまで少数の基本船型の組み合わせのみを対象としていた船型の自動生成手法(船型ブレンディング法)について、重心座標系の概念を導入し、任意の数の基本船型を組み合わせにより新しい船型を生成する船型自動生成手法を開発した。この手法は船型設計空間の可視化にも活用できるデータベース構築手法である。船型設計空間の可視化は設計者がなぜこの船型がよいのかを流体力学的に理解することに役立つ。このため、機械学習手法が船型設計の現場で採用された際に必要となる学習モデルから提案された船型がなぜよいかといった機械学習モデルの説明性を高めるために有効なデータベースの構築手法であることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた船型データベースのPCCやコンテナ船など痩せ型船型への拡張が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度拡張した船型データベースを基に、今後船型データベースを分析を行うことで船型と船尾流場の関係性を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で学会出席等で予定していた旅費の支出削減が主要因となり予定金額との使用額に差額が生じた。今後、これらの予算を当初予算の査定ため実施できなくなっていた、計算環境の充実のための費用等として使用する予定である。
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