研究実績の概要 |
大型船舶に比べメンテナンスが行き届いていない漁船では機関や循環ポンプ等,周辺機械設備の損傷を早期に診断し,健康寿命を守る高精度な状態監視・診断システムが必要である.本研究ではこの様な診断システムを開発することを目的とする.さらに開発した診断システムをマルチコプター型の自律無人航空機に搭載することで短時間に複数の船内機械設備の状態監視・診断を自動的に行う機械診断ロボットの開発を行う.具体的には研究代表者が2019年度までに実施している基盤研究(C)「漁船の健康寿命延長を実現する次世代型状態監視・診断システムの開発」において開発した既存の診断システムに今回,提案する新たな信号処理手法を用いることで大幅な診断精度と実用性の向上を実現する.さらに本診断システムを搭載したマルチコプター型 自律無人航空機を状態監視・診断ロボットとすることで機関室等での診断業務の高精度化,省人化,自動化,短時間化を実現する.本年度は機械診断ロボットに搭載する診断システムの高精度化および高効率化を実施した.具体的には提案する高精度な信号処理手法である「新合成波形分離法」を用いて,高ノイズ環境下においても高いSN比(Signal to Noise Ratio)を実現することの可能な診断システムを構築している.さらに本診断システム用に携帯型パラボラ集音装置の開発を行った.開発された携帯型パラボラ集音装置は軽量,コンパクトであり,任意のサンプリング周波数,サンプリング時間を選択可能である.本装置を機械診断ロボットに搭載する事で,軽量化の実現,高精度かつ高効率な診断を実現する事が可能となった.
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