本研究は、使用済み製品を市場から回収・再生した上で再度販売する、いわゆる循環型のループを併せ持つサプライチェーン(循環型サプライチェーン)の特性について数理的アプローチにより検討した。研究において想定した製品は近年再生技術の進展と普及が進んでいるペットボトルである。主な研究成果は以下に示す2つのパラドックスの存在を証明したことにある:1)回収から再生するまでのリードタイムは長い方がサプライチェーン全体のコストは小さくなる、2)原材料から製品を製造するコストよりも使用済み製品から製品を再生するコストの方が低い場合であっても、再生量を増加させるとサプライチェーン全体のコストが上昇する場合がある。
|