研究課題
実験資産市場での資産価格変動に関して、トレーダー間の信念の異質性が価格形成に与える影響を検証したが、この研究に関して、共同研究者4名と改訂を行っている。この研究は、実験参加者の将来の資産価格に対する長期的・短期的な期待を引き出し、その予測情報の種類や範囲を公開することで異なる形の情報共有が市場にどのような影響をもたらすかを調査した初めての研究となっており、結果として、各参加者は他の参加者の予測の中央値に自身の予測を合わせる傾向があること、特に、価格予測の長期たる中央値を公開することで、市場の価格の過剰反応が抑制されることを見いだしている。この研究から、価格予測に関する参加者の信念の共有が価格形成に与える役割が示唆されている。なお、資産市場実験研究に関しては、慶応大学の共知塾にて講演を行った他、Nijmegen School of Management の Experimental Sustainable Finance Symposyumでは、Cognitive Abilities and Experimental Green Financeについての発表を行った。(その他、社会集団における相互作用・学習のネットワークの対称性・非対称性が協調行動に与える影響に関し、複雑ネットワークにおいて非対称性が協力行動を促進しうることを計算機シミュレーションで明らかにした。また、個体間の負の相互作用の連鎖が発生する条件を被験者実験にて検証した。ソーシャルメディアの研究においては、トピックの数の増加がエコーチェンバー現象の発生を抑制しうることを計算機シミュレーションにて明らかにした。)
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
情報処理学会論文誌
巻: Vol.65, No.1, ページ: 61-68
人工知能学会論文誌
巻: forthcoming. ページ: -
行動変容と社会システム
巻: Vol. 10 ページ: -
PloS One
巻: 18(7), e0288019. ページ: -
10.1371/journal.pone.0288019
Scientific Reports
巻: 13(1), 9814. ページ: -
10.1038/s41598-023-37074-4
巻: 38(4), B-N11 ページ: 1-9
シミュレーション & ゲーミング
巻: 33.1 ページ: 11-22
信学技報
巻: 122 ページ: 36-41